まなびの『び』

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アメリカの小売売上高がマイナス。忍び寄るリセッション。

本日の話題はアメリカ12月の小売売上高が市場予測を下回ったニュースについてです。1月18日に発表されたものですが、前月比で▲1.1%ということでした。市場予想は▲0.9%で下回ったということになります。11月についても速報値から下方修正され、前月比▲1.0%となりました。

2ヶ月連続で1%台の売上高の下落ということですが、単純に考えていけば、売上高はモノの価格×販売量です。インフレによりモノの価格上がっている状況であれば売上高が下がったということは、販売量が減っていることになり、つまり需要が減っていることになります。需要と供給の面だけで考えれば、需要が減少しているのであれば、物の値段は下がりますので、インフレが沈静化する方向性になっていきます。

とはいえ、小売売上高が下がっているので、小売業者の業績が悪化していることになりますから、モノが売れなければ、製造も調整が必要となり、まさに景気後退の懸念ということになります。

上記発表を受けた18日のアメリカ株式市場は下落。ダウ平均株価は前日終値から▲1.8%下落しました。小売売上高の発表直後は株価が増加していたのですが、これはインフレの沈静化を期待してのものだったと思うのですが、その後は急落していきました。

このアメリカでの需要減少は日本の輸出企業にも悪い影響が出てきます。単純に小売となる商品であれば日本製のモノが売れなくなりますし、アメリカでの販売用の製品製造業者に部品や製造機械等を売却するようなビジネスモデルであれば、製造業者は製品が売れないようであれば製造を絞るようになりますので、部品が売れずあるいは設備投資も抑えられ、苦しむことになります。

話をアメリカに戻してアメリカの中央銀行にあたるFRBは今後の金融政策において非常に難しい舵取りになるのかと思います。次回FOMCは1月31日から2月1日となります。