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日本電産が決算発表するも見通しを大幅に修正

1月24日に産業用モーターメーカーの日本電産が2023年3月期の第3四半期の決算を発表をしました。この中で業績見通しを大幅に修正をし、話題となっています。内容を見ていきましょう。

 

2023年3月期第3四半期(4−12月)の連結業績は以下の通りです。

決算短信から見ていきますが、売上高は20.8%と増収の中で、営業利益が▲6.8の減益となりました。税引前利益が9.7%の増益、親会社の所有者に帰属する四半期利益が4.8%の増益となっております。

売上面については、為替の影響も含め過去最高を更新としています。一方で利益については、車載事業を中心に構造改革費用を計上した結果、減益としています。

 

さて、気になる業績見通しについてですが、売上高は4.8%上方修正するも、営業利益は▲47.6%、税引前利益▲41.7%、親会社の所有者に帰属する当期利益が▲63.6%の下方修正をしています。これら利益面は2022年3月期に対して減益となっています。

この理由として通期連結業績予想の修正に関するお知らせに、以下記載があります。

・IT危機・家電等の出荷ピークアウト

・グローバル自動車生産台数回復の遅れ

・米国住宅着工件数のスローダウン継続

・設備投資関連需要のピークアウト

・EV関連製品が中国でのロックダウン実施による設備減産の影響

この様な苦しい市場環境下において、固定費削減に向けた構造改革を行ったことで経費が増え、下方修正に至ったとしています。

一方で、この構造改革をしたことで、2023年度にV字回復を狙うとしています。

 

なお、今回の業績見通しと12月までの業績を比較すると第4四半期は赤字であることがわかります。

事業環境が悪い中で歴史的な円安というプラス面があったため、過去最高の売上となっていますが、2023年度以降はなかなかそうはいかないかと思います。このため、今のうちに事業を見直し、固定費を圧縮することで2023年度の利益面を確保したいということなのでしょう。

日本の製造業の代表ともなる日本電産ですから、日本経済に与える影響も小さくないと思います。明日の市場は混乱するのではと思いますが、いかがでしょうか。