アメリカの2022年10月から12月のGDPはプラス。2023年の景気後退は?
今回はアメリカの商務省が発表したGDPについての話題について触れてみましょう。
NHKのニュースをもとに見ていきますと、2022年10月から12月の速報値は前期比2.9%増で、7月から9月の四半期に引き続き2期連続のプラスとなりました。
内訳としては、政府支出が3.7%増、個人消費は2.1%の増としています。
GDPは国内総生産、つまりアメリカであればアメリカ国内で生み出されたモノやサービスがどれだけ生産されたか、を示す指標で、経済活動を示す重要な指標です。
このブログでも何度も触れている「リセッション」とは、景気後退局面を指しています。これをどの様に判断するかということで、GDPが2四半期連続で前期比がマイナスとなることを「テクニカルリセッション」と言い、一つの指標となっています。実は2022年1月から3月、4月から6月のそれぞれの四半期でいずれもマイナスとなっており「テクニカルリセッション」となりました。しかし、労働市場は堅調で、個人支出も強かったため、ここではリセッションの判断とはなりませんでした。その後の7月から9月、10月から12月の2四半期については、冒頭記載した通り、連続でプラスとなっています。
一方で、IT大手企業で大規模な人員削減を行うであったり、小売大手企業が年末商戦が前年比で苦戦をした、など、これまでGDPを牽引してきた個人の消費が、実際弱くなっていることが想像できるニュースもありました。
Bloombergの記事(米GDP、10-12月速報値は2.9%増-個人消費減速も在庫が寄与 - Bloomberg)によると、『GDP増加率の半分は在庫積み増しによるもの』としています。GDPは生産した量であり、その中には消費されたもの、輸出されたものがあるわけですが、それだけではなく、製造されたが売れなかったもの、というものもGDPの中に含まれるわけです。
製造する⇒売れない⇒在庫として余る
といったフローで書けば、この在庫として余るのが現在位置ということになりますね。このあと、
在庫として余る⇒生産量を減らす⇒GDPを押し下げる効果
この様な動きが強ければ、再びGDPのマイナス成長が見えてきてしまいます。アメリカはリセッションを回避できるのでしょうか。