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通常国会の開会。施政方針演説を見る

2023年の通常国会が1月23日に開会され、現在ニュースでも国会の様子が取り上げられています。通常国会とは毎年1月に召集され、150日間に及び2023年度の予算を決定していく国会となります。この開会に際し、内閣総理大臣の施政奉仕念ぜつが行われることになり、今後の政権としての政策の方向性が示されるものとなります。今回は、取り上げるには少し遅いですが、今国会の施政方針演説を見ていきます。

 

まずは、安全保障戦略。外交の展開とその裏付けとなる防衛力が必要としています。現在を【戦後最も厳しく複雑な安全保障環境】と表現しています。この環境下での国民の命を守るための防衛力の強化として、反撃能力の保有、南西諸島の防衛体制、サイバー・宇宙への対応などが必要としています。

経済問題について、物価高に対しては2022年度の補正予算を組み取り組むこととし、ついで改めて持続的に経済の好循環に必要な物価上昇を超える「賃上げ」の重要性についてふれています。中小企業の賃上げについては、生産性向上、下請け取引の適正化、価格転嫁の促進、フリーランスの取引適正化の対策を強化。そして非正規雇用の正規化やリスキリングによる個人の能力向上、日本型の職務給の確立、成長分野への労働力の移動といった労働市場の改革を行うとしています。

また、グリーントランスフォーメーション、デジタルトランスフォーメーション、イノベーション、スタートアップの育成、資産所得倍増による投資と改革の促進を取り組むとのことです。

 

続いて少子化対策。2022年の出生数は80万人を割り込むと見込まれると現状を踏まえたうえで、こども・子育て政策の強化に向けた具体策の検討を進めていく、としています。6月の骨太方針までに予算倍増に向けた大枠を提示すると期限を切っています。

 

この他、女性の働き方改革、若い世帯の所得向上、デジタルを活用した地方創生についての問題、2023年が関東大震災から100年ということで、災害対策と復興支援、新型コロナウイルスへの対策と5類感染症への移行を行って言うことに言及しています。

また、外交としては、今年がG7議長国、そして国連安全保障理事会非常任理事国であり、その立場を通じて主導するとしています。日米間によるサプライチェーの強靭化、半導体に関する協力についても触れています。

 

色々省略はしていますので、分野によって大事なところは変わるかとは思いますが、今回この文書内に取り上げた部分だけでも、日本政府として力をいれるべきテーマがいくつも入っています。例えば防衛、例えばリスキリング、例えば少子化。このあたりが国策銘柄として盛り上がってくる可能性があります。