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M&A総合研究所とM&Aキャピタルパートナーズの決算発表と株価

M&A総合研究所とM&Aキャピタルパートナーズいずれも企業名の通りM&A仲介事業を手掛ける企業ですが、1月31日の株価は全く正反対の値動きをしました。これはいずれも直近の決算発表を反映したものです。

 

M&A総合研究所は、2023年1月27日に2023年9月期の第1四半期決算の発表でした。

M&A総合研究所は2022年6月27日に上場したばかりの企業です。このため、四半期決算短信上は前年同期の数値が掲載されていません。しかし、決算説明資料を見ると、売上高は前年同期比110.3%増、営業利益は96.6%増と増収増益と発表しています。マンパワーとしてM&Aアドバイザーを採用、増強したことで、受託案件数も順調に伸びていることになります。

好感されるのは、業績予想に対しての現在値で、営業利益は3,150百万円の予想に対して、第1四半期で1,398百万円と進捗率言えば44.3%という高進捗となっています。この様に今期の進捗としてもよく、また人材採用も成功していることから、さらなる成長も見込めるという点が良いのではないかと思います。

決算発表直前の1月27日の終値は7,320円でしたが、1月30日、31日と連続のストップ高となり、31日の終値は10,320円となっています。この2日間で4割以上も株高となりました。

 

さて、続いてM&Aキャピタルパートナーズを見ていきます。

M&Aキャピタルパートナーズは1月30日に2023年9月期の第1四半期の決算発表でした。

売上高は前年同期比39.3%減収、営業利益は87.2%減益と、減収減益となっています。

決算短信及び決算説明資料によると、M&Aの成約件数が少なく、特に大型案件が減少したことで、成約単価も低下しているとしています。また利益面については、オフィス移転に伴うコストの影響を受け、また広告宣伝費などにより販管費が増加し、利益面を圧迫している様です。なお、決算説明資料の冒頭にて、『通期では挽回を見込んでいる』としています。

株価は1月31日に前日終値から1,000円(18.6%)の下落でストップ安となり、4,380円と12月末の水準となりました。M&A総合研究所と対称的だったことがわかります。

実は同じくM&A仲介を行っている日本M&Aセンターホールディングス、ストライクも苦戦している内容の決算を発表しており、M&A業界自体が苦戦気味のように感じます。勝手な想像ですが、経済の見通しが良くない雰囲気がある中で成長に向けた投資がしにくくなってきているのではないか、と想像しますが。。。

この様に他のM&A仲介業者の業績が悪いだけに、M&A総合研究所の成長がよく見え、そのために資金が集まっているのかもしれません。