まなびの『び』

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日銀総裁の後任人事の情報で市場もうごく

日本銀行総裁の黒田氏は4月で任期満了となり、その後任人事の話題がでてきました。後任とされるのは日本銀行の雨宮副総裁。政府が就任を打診したということが報道されています。

www.bloomberg.co.jp

上記記事には、『最有力候補と見られていた』とされている雨宮副総裁は、『大規模な金融緩和政策を黒田氏とともに推進してきた』としていますが、これまでの日銀の金融政策に関わってきたとされています。この発表により市場では、後任候補と見られる人物の中では、黒田氏の政策を引き継ぐ可能性が高いとみられています。このため、異次元の金融緩和が続くのではないかということで、132円台と一気に円安に傾きました。

日銀総裁の人事案は2月中に国会提示され、国会で衆議院参議院の同意を経て任命をされることを1月末頃に岸田首相が発言をしています。ですので、名前が上がってきても不思議ではないタイミングではありますが、今回の打診について政府側は否定をしています。また、事実だとしても打診をしたという段階ですので、まだ決定されたわけではありません。ですが、この通りであれば政府が求めているのは、急激な方向転換というよりも、現在の金融政策を一定継承しつつ必要に応じて徐々に修正していく、そのようなことを期待しているのかな、と想像します。

改めて現在の日本の金融政策を見るうえでのキーワードは、異次元の金融緩和政策をどの様に出口に進めていくのか、あるいはその施策として行われている国債の買付に伴い、日銀の国債保有割合が高い状況です。こちらについても、どの様に解消していくのか、といったことです。これらは急激に方向転換をすれば、市場が大混乱、あるいは実際の経済への影響も大きいですから、その意味でも先の私の想像にとっては、最適な人事となると思います。

株価は上昇しました。日経平均は先週末から0.7%の上昇となりました。円高が進んだことで、輸出銘柄を中心に株価が上昇したことになります。