まなびの『び』

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ゆうちょ銀行の株大規模売却による市場の反応ついて

日本郵政がゆうちょ銀行の株式を売却するという報道が出ました。実際に(日本郵政がゆうちょ株一部売却へ、総額1.3兆円-比率65%以下に - Bloomberg)を見てみると、その規模は次のような記載となっています。

売り出し総数は10億8900万株、売り出し総額は1兆3000億円とのことです。

日本郵政がこれだけ大量にゆうちょ銀行の株式を売却する背景は、ゆうちょ銀行のプライム市場の上場基準を満たすため、とされています。

プライム市場の上場維持基準のうち、流通株式比率は35%以上とされています。上述のBloombergの記事における『日本郵政のゆうちょ銀行への議決権比率は89%から65%を下回る程度まで低下する見込み』という記載は、この流通株式比率35%を意識したものとなります。

 

しかし実は、およそ1週間前である2月22日に日本郵政がゆうちょ銀行の株式を売却する、といった報道がでておりました。この点も踏まえ株価にどのように反応したかを見ていきましょう。

上図がゆうちょ銀行の日足チャートですが、2月28日の株価は前日から20円(1.7%)高い1,176円で引けています。高値は1,219円(前日比5.4%)、安値は1,142円(▲1.2%)とかなり上下が激しかった事がわかります。

上述の事前に報道があった2月22日は前営業日比▲6.5%と大きく下がっております。同日にゆうちょ銀行のIRにて決定した事実がないと火消しをしたものの、市場に安心感は与えられず株価は回復しませんでした。売却を織り込んだ、という状況となり2月28日を迎えたことになります。

株価の上下は激しかったことから一部混乱は見られたものの、概ね上昇していることからすると、悪材料出尽くしたとして買われたということになろうかと思います。ただし、大きく上昇した後に売られてもいることから、楽観視はできない、という感じでしょうか。