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2月消費者物価指数は約1年ぶりに減速

3月24日に2月の消費者物価指数が発表されました。

消費者物価指数と各指数の前年同月比は以下の通りです。

  指数 前年同月比
総合指数 104.0 3.3%
生鮮食品を除く総合指数 103.6 3.1%
生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数 102.6 3.5%

 

一般的に、消費者物価指数を見るときには「生鮮食品を除く総合指数(コア指数)」を見比べていきます。生鮮食品は天候などで価格変動が大きく、それらによる物価の動向を見るのに適しているからです。ということで、その推移を見ていくと以下の図の通りとなります。

日本の消費者物価指数(コア指数)は、2022年1月に前年同月比が0.2%増から上昇を続け、2023年1月には4.2%増となりました。そして今回3.1%増と前月からやや減速をしました。

 

費目別に見ると、「生鮮食品を除く食料」が7.8%増、「家具・家事用品」が8.7%増と消費者物価指数を押し上げた一方で、「光熱・水道」は0.3%減となりました。減少幅としては大きくない様に見えますが、「光熱・水道」は全体に占める割合が大きく、今回の減速に寄与しました。

「光熱・水道」について深堀りします。2023年2月は前年同月比が0.7%減でしたが、その前月1月は14.6%増でした。つまり、急減速したことになります。

この要因が、政府が行っている「電気・ガス価格激変緩和対策事業」です。これが2月請求分から適用されたことで、電気代・ガス代が下がりました。日本経済新聞の記事(政策頼みの物価高鈍化、2月3.1% 抑制策なければ4.3% - 日本経済新聞)によると、この政策と、旅行支援事業がなければ、コア消費者物価指数は4.3%であったということで、前月から加速していたということになります。「生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数」を見ると、1月の前年同月比が3.2%であったのに対して2月が3.5%とさらに加速しています。

値上げのニュースが続いている外食や食用油などや、電気冷蔵庫などの家庭様耐久財の上昇が続いています。これは原材料の価格が上昇していることが影響をしています。また、時給も上昇している中で今後しばらく物価指数の急落はない様です。だからこそ、今後の日本の経済成長のためには、家庭からの購買力を維持するために賃上げが続いていく必要があります。今後の給与上昇がいかに大事か、ということになります。