まなびの『び』

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カーボンニュートラルについて〜食料・農林水産業〜

「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」14分野の9つめ「食料・農林水産業」。この分野については縁遠く、初めて聞く用語もいくつか出てきました。しかしながら、この分野は人間にとって根幹となる産業で食料の安定供給は日本の戦略的にも重要なテーマです。

 

スマート農林水産業等の実装の加速化による化石燃料起源のCO2のゼロエミッション化、農畜産業由来のGHG(温室効果ガス)の削減、森林・木材・農地・海洋における炭素の長期・大量貯蔵・スマートフードチェーン、持続可能な消費の促進を通じて、持続可能な食料システムの構築を目指すといった広範に及ぶテーマがありました。

 

日本の農林水産業は、そもそも担い手が減っている、高齢化が進んでいるという最大の課題があり、労働生産性の向上が必要です。こうした中で、技術革新、取り組みを持続可能な生産者に、補助、投融資、税、制度といった政策を集中的に支援していくとしています。また、環境保全に取り組む企業の情報開示の取り組みを促し、消費者等の行動変革を促進する取り組みを行う。農林漁業者や地域にメリットとなる技術開発・普及、公的インセンティブ制度の取り組みを推進するとしています。

 

農畜産業からのGHG排出削減は、水田からのメタン発生を抑制する技術開発が進んでいて、早期普及の推進。生産から流通・商品までの省力化、農林業機械・漁船等の脱炭素化といった課題も挙げています。農山漁村地域の脱炭素化のために、賞水力発電地産地消型のバイオガス発電施設の導入、バイオ液肥の活用推進、再生可能エネルギー地産地消の取り組みの推進、地産地消型エネルギーシステムの構築に向けた必要な規制の見直しを検討していくとしています。

また、流通・消費段階までのデータ連携により生産性向上、食品ロス、CO2削減を両立するスマートフードチェーンの構築、森林クラウドの導入といった、私は聞いたことがなかったけれども重要な用語もでてきています。

 

また、大気中のCO2を回収、貯蔵するネガティブエミッションとしての森林・木材の分野も2050年カーボンニュートラルの実現には重要で、高齢となった木は吸収量が減少傾向となるために、人工林の循環利用をするために木材利用の拡大も重要なテーマとなるそうです。高層建築物等の木造化。バイオ炭資材の開発、これをりようした営農モデルの確立等CO2の貯蔵量を向上させる必要があるとしています。

 

 

ここからは、食料・農林水産業に関連する日本企業をみていきます。

 

クボタ

農業機械のロボット化、ICTの活用等、スマート農業を推進、省エネ化、省資源化を進める。

 

住友林業

森林経営からその活用まで行っている企業。中期経営計画の中でサステナビリティ戦略も策定し、持続可能な森林資源等取り組みを行っている。