まなびの『び』

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アメリカの債務上限問題とは?

最近話題のアメリカの債務上限問題について考えていきます。

 

国家運営にはお金が必要ですが、このお金の収入源(歳入)は大きくわけて2つあり、1つは税金からの収入である税収と、もう1つは国債を発行して得られる借金による調達となります。

アメリカの場合、法律によって発行できる国債の上限、つまり債務の上限額が定められています。この上限に達している場合、アメリカ議会の承認を得る必要があります。この承認が得られない、というのが債務上限問題となります。承認が得られないければ、新たな国債を発行できず、アメリカ政府としての資金繰りができなくなることになります。

 

なぜ、このような混乱が生じるかといえば、一つには、アメリカ合衆国大統領ジョー・バイデン氏が所属する政党および上院の多数派は民主党ですが、対してアメリカの下院は共和党が多数派となっているねじれ状態という事も言えます。

特に共和党は、「小さな政府」という考え方を基本理念としています。これは、「市場経済に任せ、政府の介入は最小限とするべき」という考え方です。この理念からすれば、歳入・歳出ともに小さくする考え方です。歳出を減らすことをこの機会に飲ませることを主張していることになります。

 

このまま議会承認が下りなければ、行政サービスが停止、公務員への給与支払いができない、といった問題もありますが、国債の利払いができず、デフォルトの状態となることになります。直近ではウクライナ侵攻後のロシアがデフォルトになるか?と懸念されたり、中国の恒大集団がデフォルトとなりました。

アメリカドルは世界の基軸通貨となっていますから、その信用度の低下による影響はアメリカ1国にとどまりません。世界中で行われている貿易もドルを単位に使われていますし、国家の外貨準備としてドルを用いているケースも非常に多いです。こうした中でドルの価値が揺らぐ、という状況は非常に危険で、世界経済が混乱することになります。

 

アメリカの民主党にしろ、共和党にしろ、最悪シナリオのデフォルトの戦犯とはなりたくないので、どこかの時点で妥協されるとは思いますが、それがいつなのか、どのような妥結となるのか、が重要になってきます。