ファースト・リパブリック・バンクの経営破綻とFOMC。
5月1日にアメリカ、カルフォルニア州の地方銀行であるファースト・リパブリック・バンクの経営破綻が発表されました。3月にシリコンバレーバンクが経営破綻して以降、3行目となるアメリカでの銀行の経営破綻となり、資産規模としてはシリコンバレーバンクを超え、史上2番目の規模となります。JPモルガン・チェースがファースト・リパブリック・バンクを買収することもあわせて発表しています。
以前からのFRBの政策金利の引き上げにより3月にシリコンバレーバンクの経営破綻、銀行の信用力がさらに低下すると顧客の預金引き出しが加速し、ファースト・リパブリック・バンクの預金残高も急減し、資金ショートすることになりました。株価も急落し、資金調達も困難となるといったことが発生します。
この他同じくアメリカの地銀のパックウェスト・バンコープも身売りを検討しているとも報じられ、地銀の経営の先行き不安が広がっていきます。
さて、ファースト・リパブリック・バンクの経営破綻が発表された5月1日というタイミングが、5月2日、3日に開催されたアメリカ連邦公開市場委員会(FOMC)の直前ということで、その意思決定への影響も懸念されましたが、結果は0.25%の利上げとなりました。
アメリカの地銀の株価に連動するETFのiシェアーズ米国地方銀行ETFの推移をみてみます。
ファースト・リパブリック・バンクの経営破綻の発表後の5月2日に前日比▲5.79%と大きく下げることになります。FOMCの利上げ発表後にはさらに混乱し、5月4日には、一時は5月1日の終値から▲15.32%も値を下げることになります。
その後は5日には、これまで大きく下がったことからか買い戻しがされますが、本格的な戻しなのか、一時的なものかはわかりませんが、金融不安が払拭はされていませんので、未だにシリコンバレーバンク以前の推移に戻る気配はありませんね。