まなびの『び』

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ニューラルポケット(4056)の銘柄分析

今回の銘柄分析は、2020年8月にマザーズに上場したニューラルポケットです。

 

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【ニューラルポケットの事業内容】

ニューラルポケットはAIアルゴリズムによる画像・動画解析、端末処理(エッジコンピューティング)技術を活用したAIサービスを提供している企業です。主にスマートシティ関連サービス、サイネージ広告関連サービス、ファッショントレンド解析関連サービスの3つのサービスを展開しています。

HPを見ると、5つの重点事業領域として、以下の5分野がトップに掲載されています。

「デジフロー」

リアル空間での人・車両などの動態をデータ化。

「デジパーク」

平面・立体駐車場や物流施設の満空状態、走行車両のナンバープレート解析など。

SIGN DIGI」

サイネージ広告とAI解析を融合させた広告効果の可視化。

「リモデスク」

リモートワークのセキュリティソリューション

「AI MD」

ファッショントレンドデータベース。

 

これらの技術を使って人流分析や防犯の分野、工場や倉庫での最適化。駐車場のスマート化。サイネージ広告の視聴状況の分析などを提供しています。

 

【ニューラルポケットの今後の成長性】

ニューラルポケットの資料によると、ニューラルポケットが携わっているスマートシティーの分野はエッジ技術が不可欠で、そのエッジの市場規模は年69%の成長する予測があります。

これまではカメラなどデバイスで作ったデータをクラウドサーバーに移し、大量に蓄積してから解析をするという手法でした。エッジという技術はカメラなとのデバイス側で解析をしたあとのデータを必要に応じてクラウドサーバーに送るといった手法になるようです。サーバー側でなくデバイス側(端=エッジ)で処理をするため、エッジと言います。こうすることで、サーバーは小規模のものでよくなり消費電力も少なくなる、サーバーの通信も少量でよくなり通信インフラへの負荷も小さい、解析時間が短くなるため解析データを用いた対応が即時にとれる、などのメリットが出ます。

成長の蓋然性は確かに高いように思えました。

 

【ニューラルポケットの決算状況】

ニューラルポケットは2018年設立のまだ若い企業ですが、2019年12月期から2020年12月期と売上が急成長しています。2021年12月期も売上は伸びる予測になっています。利益は投資先行であるため、まだ求める状況ではないと思います。

 

【ニューラルポケットのチャート】

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ニューラルポケットの株価は下降中。上場直後10,850円をつけましたが26日時点終値で1,740円と6分の1に。安値更新中です。

直近、2021年12月期の利益が中間決算までにおいて伸びず、また11月に業績予想を下方修正をしており、それぞれ株価に悪影響を与えています。加えてマイナス影響となっているのが、11月21日にSMBC日興証券に行使停止指定条項付の第三者割当を行って資金調達を行うことを発表したことです。「行使停止指定条項付」についてはまた別の機会に勉強して記事にするかもしれませんが、結局既存株主にとっては株式価値の希薄化につながるため、これにより、株価が急落をしました。

利益が少ないことからPERも非常に高い状況ですし、どこを底とするかわかりませんからまだ購入を検討するには怖い状況ですね。