まなびの『び』

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国債買い入れの急増の理由

日本銀行が16日に購入した国債は2兆1,148億円分だった様です。ここ数日国債の買い入れが増えているのですが、そのニュースについてです。

 

昨年末に日銀が発表した金融政策の方針変更により、10年国債利回りは0.50%程度まで許容することになりました。このため、0.50%程度となる様、日銀が国債を無制限に買い入れる買いオペを実施しています。

債権は償還される金額が決まっていますから残存期間と購入金額でその債権の利回りが決まります。より高く買うほど利回りは下がる、ということになります。

来年10,100円手元に入る権利を、10,000円で買えば100円儲かりますが、10,050円で買えば50円しか儲かりません。

反対に今この権利を売りたい人がいて、10,000円で市場で売買されているのに対し、10,050円で買っている人がいれば、売る側としては10,050円で売ったほうが得になります。

このように、日銀はより債権利回りが0.50%程度となるように高い金額で買い入れを行っているというのがこの買いオペということになります。

 

現在の状況としては、債権を売りたいというニーズが強く、日本銀行が買わざるを得ない量が増えているということになります。それは17日から18日にかけて実施される金融政策決定会合を睨んだ動きということになります。市場の見方としては、金融政策決定会合において、前回の0.50%程度への上限の見直しに加え、再度の政策変更の発表がされるということです。

例えば0.75%という上限を見直しをした場合どうなるのでしょうか。今新しく国債を発行すれば0.75%の国債利回りの債権が手に入る状況であれば、それまでに発行されていた0.50%の国債利回りの債権は魅力が下がります。魅力が下がり、債権の価値が下がってしまうということになります。そうなれば、今のうちに0.50%の国債利回りの債権を手放しておきたいというのが、売りが膨らんでいる簡単な説明になります。実際にはこれに加え投資家による空売りも加わって、マネーゲームになっていることになります。

果たして日銀はどの様な