ポンド安に注目。ポンドが急下落。
アメリカドルと日本円に対する為替推移を見てきましたが、今回はイギリスのポンドについて見ていきたいと思います。というのもイギリスのポンドは9月23日に大きく値を下げています。
ポンド安について
イギリスのポンドとアメリカドルの今年始めからの日足チャートが上図となります。
21日は1ポンド=1.123~1.138ドルでした。
22日は1ポンド=1.121~1.136ドル。
23日は1ポンド=1.083~1.127ドル。
この3営業日でこのデータの終値ベースで約4.6%もポンド安となったことになります。
ドルとポンドとの比較だけではポンドが安くなったのか、ドルが高くなったのかわかりませんので、日本円とも比較してみます。
21日は1ポンド=162円23銭~163円94銭
22日は1ポンド=159円12銭~164円43銭
23日は1ポンド=155円33銭~160円45銭
日本円の場合は22日も日本政府のドル買い為替介入の影響で円が高くなった側面がありますが、23日までの3営業日で4.9%ポンド安になっていいます。ドル、円、ポンドの3通貨を見ると、ポンドが顕著に下落たということがわかります。ここまで下落したのは何があったのでしょうか。
ポンド安の背景
以前、イギリスのトラス首相が就任について記事にした際に大規模な減税がトラス氏の公約であったことについて触れました。manabinobi.hatenablog.com
今回その減税策とその財源としての国債の増発を発表しました。これを受けて、イギリスの財政悪化が懸念されることになりました。
日本経済新聞の記事(英国債利回り急騰、財政懸念で「トリプル安」 減税策受け: 日本経済新聞)によると、『2022会計年度の国債発行計画が624億ポンド引き上げられ』となっています。
最新かどうかはわかりませんが、ロイターの記事(英国債発行、22年度はコロナ禍前水準に減額へ | Reuters)に記載されている内容を最新と仮定すると、この時点で2022年度の国債発行計画は1,247億ポンドなっていて、そこから624億ポンド引き上げられれば、1,871億ポンドということになります。2021年度の発行が1,950億ポンドとなり、前年度並みということになりました。