まなびの『び』

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アメリカ大手銀行が金融不安払拭に支援

この1週間、金融不安に関しての話題ばかりとなっていますが、今回も新たなニュースが入ってきました。アメリカの大手銀行複数行が、中堅銀行であるファースト・リパブリック・バンクを支援することが報道されました。

 

シリコンバレーバンク、シグネチャーバンクの経営破綻を経て、ファースト・リパブリック・バンクも不安視されてきました。

シリコンバレーバンクに対する混乱が始まった3月9日にファースト・リパブリック・バンクの株価も大きく下落しました。3月13日終値時点で31.21ドル。3月8日の終値115.00ドルと比べ、およそ3分の1以下となってしまいました。

格付け会社であるS&Pグローバル・レーティングが15日にファースト・リパブリック・バンクの格付けを預金流出のリスクがあるといった理由により、「A−」から「BB+」に引き下げました。(ファースト・リパブリックをジャンクに下げ、預金流出懸念-S&P - Bloomberg)格付けは、その企業の信用力を示すもので、引き下げがなされたということはデフォルトの可能性が高まったことを意味しています。

これに対して、アメリカの大手銀行11行が支援をしたのが今回取り上げるニュースです。JPモルガンバンク・オブ・アメリカ、シティ、ゴールドマン・サックスモルガンスタンレーなど、日本人でも聞いたことある名前が並びます。これら企業がファースト・リパブリック・バンクに総額300億ドル(4兆円)の預金をすると発表しました。

ファースト・リパブリック・バンクとしては、300億ドルのキャッシュが入るわけですから流動性が高まり、取り付け騒ぎへの対策となる、というわけです。大手銀行連合で、中堅企業の流動性を高めることで、金融不安の連鎖を止める働きかけるということになります。

これにより、16日は前日終値から▲35.1%で始まったファースト・リパブリック・バンクの株価は反転。約10.0%の上昇で引けています。

この流れを受けて、ダウ平均株価の1.1%の上昇と株式市場全体に安心感を与え、また日本でも翌3月17日の日経平均は1.2%上昇となりました。

これで市場が落ち着くのか、まだ完全に安心できるか、についてはまだ見守る必要がありそうです。