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FOMC5月会合で0.25%利上げ。今後の追加利上げは?

5月2日、3日に開催されていたアメリ連邦公開市場委員会FOMC)の5月会合にて、0.25%の利上げを発表しました。これにより政策金利の誘導目標レンジは5.00%〜5.25%となりました。今回の利上げで打ち止めともされています。

www.bloomberg.co.jp

2022年の3月会合で0.25%の利上げが開始される前は0.00%〜0.25%でしたが、ここから1年2ヶ月で、5.00%と急速な利上げがなされました。

利上げが開始された当時は、新型コロナウイルス禍からの経済再開と、それに伴う消費の回復があり、一方でサプライチェーンの混乱による製品不足、労働力の供給部不足もあり、消費者物価指数は上昇していきました。そこから1年経過し、消費者物価指数の上昇も収束が見られてきました。

今回のFOMC後の声明を3月会合後の声明とを比較してみます。

(3月)

委員会はインフレ率を時間とともに2%に戻すべく十分に景気抑制的な金融政策スタンスを実現するために、いくらかの追加引き締めが適切となる可能性を見込む。誘導目標レンジを今後どの程度引き上げるかを決定する上で、委員会は金融政策の累積的な引き締めや、金融政策が経済活動とインフレに与える影響の遅効性、経済や金融の情勢を考慮する。(FOMC声明:最近の動向に潜在的影響力、追加引き締めの可能性も - Bloomberg

(5月)

インフレ率を時間とともに2%に戻すために、どの程度の追加的な政策引き締めが適切となり得るかを決定する上で、委員会は金融政策の累積的な引き締めや、金融政策が経済活動とインフレに与える影響の遅効性、経済や金融の情勢を考慮する。(FOMC声明:どの程度の引き締め適切か、累積効果など考慮して判断 - Bloomberg

比較をしてみると、「いくらかの追加引き締めが適切となる可能性を見込む」という文言が削除されていることがわかります。つまり、3月までは追加引き締め(=今後すぐの利上げ)の可能性を肯定していましたが、今回は触れておらず今後すぐの利上げについては行わないことを明言はしていないものの、暗に示唆をしています。一方で、今後の政策を決定する上では、引き続き、これまで実施してきた利上げはインフレに影響されるのに時間がかかることも考慮していくとしています。