まなびの『び』

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シリコンバレーバンクショックの日本市場への影響

先日から取り上げているシリコンバレーバンクの経営破綻。破綻が報道されてから初めて日本の株式市場が開きました。日経平均は大方の予想通り大きく下落し、先週末終値から311円(▲1.1%)下落し、節目の28,000円を大きく割り込みました。

なお、1日の値動きで言えば、10時杉過ぎまでに大きく下落。その後は日本銀行ETF買いへの期待もあったのか下げ止まり、後場が始まると確かに上昇し、その後はやや持ち直しました。実際に日銀はETFを701億円分購入しました。ETF買い入れは今年に入って初めてとのことです。

さて、東証の33業種別下落率を見てみると、下位5業種は、

29:その他金融業 ▲2.5%

30:パルプ・紙 ▲2.7%

31:証券業 ▲2.8%

32:保険業 ▲3.7%

33:銀行業 ▲4.0%

となりました。30位のパルプ・紙を除いて、金融機関が占めています。最下位は銀行業で強く下落しています。なお、銀行業の銘柄は日経平均への寄与度がそこまで大きくないので、寄与度としてはスタートアップへの投資も多いソフトバンクファナック東京エレクトロン日経平均を押し下げました。

 

日本市場から離れて金先物を見ると、ここ数日上昇が続いています。リスク回避ということで安全資産へ資金が流れた、ということになります。およそ1ヶ月ぶりの高値となっています。

同じく安全資産とされている日本円。やはりここ数日で買われていて、この3営業日で1ドル133円台まで円高が進んでいます。

 

シリコンバレーバンクに預けられた預金ついては、12日に連邦準備理事会(FRB)が全預金額を保障することを発表し、やや安心感が広がりました。直近でスタートアップ企業がキャッシュを確保できず連鎖倒産をする、といった様な事態に対しての止血を行ったということになるのかと思いますが、それでも今後の余波がどこまで波及するかはわかりません。慎重に経緯を見守りたいです。