まなびの『び』

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楽天グループ(4755)の経営状況

それでは楽天グループの企業という面について詳細に見ていこうと思います。

 

楽天グループの事業内容

楽天グループはセグメントでいうと、インターネットサービス、フィンテック、モバイルの3区分となります。

フィンテックは、楽天銀行楽天証券楽天カード楽天生命、楽天損保、楽天Edy等金融分野。

モバイルは楽天モバイル楽天コミュニケーションズ、Viber楽天Koboが該当。

インターネットサービスは、楽天市場楽天トラベルなど、フィンテックやモバイル以外というイメージで考えています。

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インターネットサービスがおよそ半分を、フィンテックが3分の1を、その他をモバイルといった売上構成になっています。

 

楽天グループの決算状況

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楽天グループの決算状況を見てみますと、売上高が順調に伸びていることがわかると思います。一方で2020年12月期は楽天市場やRakuten24はコロナ禍による巣ごもり需要により売上アップに貢献、また楽天カードを始めとする金融部門が好調だったものの、楽天トラベルや、楽天ゴールデンイーグルスヴィッセル神戸などのスポーツ部門でコロナ禍の悪影響が直撃しました。楽天モバイルも契約数が順調に増えていて、売上貢献に寄与しています。

一方で利益面を見ると、△114,199百万円とと大幅赤字になっています。これのほとんどがモバイルのうち、基地局設置等による損失となっています。2021年1月末時点で4Gの人口カバー率は74.9%であり、まだまだ設備投資が大きくかかる現状です。直近の2021年12月期の第3四半期決算短信を見ても、モバイルのセグメント損失は倍増しています。2021年10月14日時点の4G人口カバー率は94.3%となっています。楽天は自社ネットワークエリアでない地域はKDDIローミングでカバーをしていますが、これまでの基地局設置により順次ローミングエリアをへらす事ができるようになってきており、KDDIに支払っていた費用も2022年度には減る見込みとなっています。とはいえ、まだまた投資期間は終わっておらず、楽天基地局設置済みのエリアでも5Gへの切り替えも行われることから、引き続きしばらくは設備投資が重くのしかかるのではないでしょうか。