まなびの『び』

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サカタのタネ(1377)の決算分析

ロシアによるウクライナ侵攻を受け、追い風となっている企業サカタのタネの決算を見ていきます。

 

サカタのタネの事業内容

 

野菜や花の種子の生産、販売がサカタのタネの主要な事業です。種苗会社や生産者に野菜や花の種子、球根、苗木を販売しています。その販売先は日本国内に留まらず、北中米、欧州・中近東、アジア、南米など、世界全国となっています。

 

サカタのタネの業績推移

サカタのタネは2022年5月期に会計基準を変更をしています。旧会計基準とあわせて比較すると、売上高10.5%増収、営業利益15.4%、最終利益が61.0%の増益となっています。

野菜種子と花種子が大幅な増収となったことや、為替レートも全面的に円安となった

ことによるものです。セグメント別では国内卸売事業、小売事業、その他事業は減収する中で、海外卸売事業が業績を大きく引っ張っています。

野菜種子、花種子とも、ほぼ全ての国と地域で売上が好調に推移

新型コロナウイルス感染症ウクライナ問題など、様々な要因による物流の混乱を回避するために前倒し需要が引き続き発生しているこ
とや、為替レートも全面的に円安となったこと

決算短信上で説明しています。決算短信補足説明資料の2022年5月期実績海外販売先別外部売上高を見ると、アジアを除いた各地域で現地通貨ベースでも売上高が伸びている事がわかります。これに円安効果が働いている、という状況です。上の事業内容でも見たセグメント別売上高で見ると、海外卸売事業が70%を超えたことになります。

なお、最終利益が大幅に増えているのは、

固定資産売却益の計上

を背景ですので、一時的なものとなっています。

 

2023年3月については、売上高が6.8%増収、営業利益1.1%増益するものの、経常利益が2.6%、最終利益が30.6%の減益としています。

ヒマワリなどの前倒し需要からの反動減や生産コスト上昇による一部生産者の生産意欲減退は見込まれますが、引き続き概ね安定した売上の推移が予想され、円安効果も見込まれる

一方で、

競争力の維持・強化を目的とした研究開発費の増加継続、コロナ禍において縮小していた諸活動の再開、人件費等の経費増加

により微増の見通しにとどめています。

 

サカタのタネの株価推移

サカタのタネですが、2022年2月ごろから株価は上昇しています。

大穀倉地帯であるウクライナへのロシアの侵攻を受け、小麦価格が上昇していることも話題となっていますが、そのような中で農業銘柄であるサカタのタネも注目をされた状況になります。

今回の決算発表を受けて7月14日の株価は前日比680円(+15.6%)上昇しました。このまま強い上昇トレンドが続くのでしょうか。