まなびの『び』

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佐渡汽船(9176)上場廃止へ。世界遺産登録の盛り上がり一転上場廃止へ。

佐渡汽船というジャスダック上場銘柄のニュースについて見ていきたいと思います。

 

佐渡汽船という企業は?

新潟県にある佐渡島。金の採掘が江戸時代から行われ、また学名ニッポニア・ニッポンともされる鳥、トキの最後の生息地としても有名です。

この佐渡島新潟市の新潟港、上越市直江津港を結ぶ航路を運行しているのが佐渡汽船となります。旅客や貨物輸送を行っていますが、佐渡島への観光の低迷、そしてその中での新型コロナウイルスの影響を受け、この数年、経営が急激に悪化させていました。

 

佐渡汽船の株価推移

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この1年間の株価推移が上図となりますが、ここ数日での急落がわかると思います。何が起こったのか見ていきましょう。

 

佐渡汽船の急落が始まったのが2月7日。この日、佐渡汽船はみちのりホールディングスから15億円の出資を受けて子会社となることを発表しました。みちのりHDへの新たに第三者割当増資をおこなうことになりますが、これにより大幅な株価の希薄化が発生をすることになります。またこのとき、既存株主の保有する株式を1株あたり30円で買い取り、上場廃止を行うことを株主総会に付議することを発表しました。この1株30円という金額は前営業日である2月4日終値202円の約15%という数字となります。

結果、2月7日は前日から80円安のストップ安、翌8日もストップ安で値がつかず、9日は47円という金額でスタートしました。10日の終値は94円で今週は締まりました。

 

佐渡島といえば直近の話題で、世界遺産の登録について推薦を行うというニュースがあり、観光需要が高まるという期待がある中購入された方もいるかもしれません。今回のスクイーズアウト(少数株主から強制的に株式を買い取る)による影響は厳しいものがありますね。