まなびの『び』

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ファーストリテイリングの株価急落。大きく日経平均株価を押し下げ。

1月13日の東証プライム市場下落率2位はファーストリテイリングでした。ファーストリテイリング日経平均への寄与度が大きく、何が起こったのか見ていきます。

まずはファーストリテイリングの1年間の日足チャートをみてみます。13日のファーストリテイリング終値は73,490円で、前営業日12日の終値に対して6,350円で7.9%と大きく下落しました。7月15日以来の株価であり、チャートで見るとその急落ぶりがよくわかります。

この日は日経平均株価も330円下落していますが、ファーストリテイリングの寄与度は217円と大きく日経平均株価を押し下げています。

 

ファーストリテイリングは1月12日の引け後に2023年8月期の第1四半期の決算を発表がありました。この結果が、13日の株価に影響を与えたことになります。

四半期決算短信を見ると、売上収益は前年同期比14.2%と好調なものの、利益面が大きく減少し、増収減益となっています。大きく減益となったのは、中国大陸での不調を背景としています。

国内ユニクロ事業では『急激な円安による調達コストの増加』により減益となりました。また海外ユニクロ事業のうち、中国大陸における新型コロナウイルスによる行動制限のため購買意欲が低下したこと、さらに最大で247店舗が臨時休業したことで、大幅な減収減益となっていると説明しています。

中国以外のその他アジア・オセアニア地区、北米、欧州(ロシアを除く)については、計画を上回る大幅な増収増益と好調で過去再考の業績を達成

としているだけに、中国の影響が非常に苦しい結果に至ったようです。通期の業績見通しに対する最終利益の進捗率は37%で、直近5年平均の50%と比べるとかなり進捗が悪いといことになります。中国の売上については、1月以降に急回復しているとのことなので、今後次第ではあります。

中国は新型コロナウイルスへの集団免疫を獲得する戦略ともされていますが、もしこれで1月以降脱コロナを達成、急激な経済回復となれば業績としては面白いところではありますが、先日の記事にもした通り中国の急激な方針転換がリスクとなりうる企業だと思います。

 

冒頭の通り、ファーストリテイリング日経平均の寄与度が大きい銘柄ですので、今後の業績の推移に注目したいところです。