まなびの『び』

投資運用、業界研究、時事、その他学んだことを

JT(日本たばこ産業)の決算発表と株主優待制度の廃止

本日の決算振り返りは日本たばこ産業JTとなります。

 

◯2021年実績と2022年度の見通し

JT 売上高 営業利益 経常利益 最終利益
2022予測 2,315,000 534,000 - 356,000
  対前年増率 -0.4% 7.0% #VALUE! 5.2%
2021 2,324,838 499,021 472,390 338,490
  対前年増率 11.1% 6.4% 12.5% 9.0%
2020 2,092,561 469,054 420,063 310,253

 

 

2021年12月期は、売上高、利益ともに好調でした。特に絶好調だったのは、海外たばこ事業です。海外たばこ事業セグメント単独では、売上高が17.6%増、営業利益が33.1%増でした。世界各国において新型コロナウイルスの拡大による渡航制限がかかったことにより、内需が拡大しJTのシェアが伸び、為替による効果もプラスに働きました。

2022年12月期については、新型コロナウイルスの感染拡大の改善により、2021年12月期が好調だったことの揺り戻しによって売上高がマイナスとなる見通しとしています。利益については、2021年12月期に計上した『たばこ事業運営体制強化施作費用』が剥落することで営業利益が浮きます。JTは2022年12月期からこれまで別々だった国内と海外のたばこ事業を統合します。これは単に会計上の話ではなく、本社機能をスイスのジュネーブに移して一本化、日本での事業所の運営構造も変えるなど、改革を行っております。この改革により、希望退職も募っており、これら経費が『たばこ事業運営体制強化施策』だと思います。

 

株主優待制度の廃止について

決算発表に合わせて株主優待制度を廃止する旨を発表しています。

JTはこれまで1年以上保有することで、100株以上で2,500円分のJTグループの商品がもらえていました。

JTの発表によるとこの廃止の理由として、

株主の皆様への公平な利益還元のあり方という観点から慎重に検討を重ねました結果、配当等による利益還元に集約することとし、株主優待制度を廃止することといたしました。

としています。これを反映していてなのか、2022年12月期は配当を10円増配した150円としています。

 

f:id:manabinobi:20220219001015p:plain

上図株価チャートの右側に矢印を入れていますが、この日が決算をうけた翌日となります。市場の反応としては、ややネガティブだったものの小幅で、次の日には回復をしています。