まなびの『び』

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OPECプラスの会合の結果どうなったか。

昨日の記事の続きです。やはり昨日の記事掲載時には既に情報が古くなっていた、という状況ですが、答え合わせをしていきましょう。

 

昨日の記事では、一部のOPEC加盟国で石油の増産を計画している、という内容でしたが、実際に増産目標の拡大が決定し、発表されました。

www.bloomberg.co.jp

記事によると、

これまでOPECプラスでは日量43万2,000バレルの増産を目標としてきましたが、これを7月、8月は日量64万8,000バレルへ拡大をするという内容です。

供給量が増えるということですから、需要と供給の関係で石油価格が落ち着くのでは、と言いたいところですが、先物価格の動きを見ていきましょう。

 

ブレント価格はここ数日の間、先の記事の通りOPEC加盟国での増産の情報があると、実際の会合の前に売却する動きがあり、価格が下がっていきいました。しかし、実際に発表されると石油先物価格は一転上昇に転じました。

 

さて、何故このような値動きになったかを推察すると、今回のOPECプラスの増産目標が想定よりも少ないものだったということになるかと思います。

つまり、もっと大きく増産が起こるのであれば、供給が増え価格が落ち着く、あるいは暴落した可能性がありますが、実際には記事にもある通り、グローバル需要0.4%という小幅な増産量のため、ロシアでの減産を埋めることはできないと判断され、警戒感の売却からの買い戻しが発生した、ということだと思います。

 

www.nikkei.com

日経の記事を見ると、これまでも日量43万2,000バレルという増産目標がありつつも、実際の生産量は目標値には届いていなかったとのことです。

つまり、今回の増産目標が達成されるかどうかは不透明であるということが言えます。結局は需要量には足りないであろうことがより鮮明になるという結果に至った状況だと思います。

 

また、アメリカでは2日に石油在庫統計が発表され、原油在庫が市場予想よりも減っていた、ということも将来の需要逼迫が見えてきています。

 

ということで、今回の発表ですが、石油価格の沈静化には繋がらず、結局は根本であるロシア制裁を解いても良いという状況が発生しない限りは、まだしばらくエネルギー価格の高騰が、日常生活を苦しめる事になりそうです。