まなびの『び』

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天然ガス先物価格の上昇とイギリス消費者物価指数

資源価格については一時期と比べて落ち着きを取り戻しています。特に原油価格の値下がりは、アメリカのインフレの抑制に寄与しているとされていて、利上げペースの減速期待が持たれています。

この資源価格の下落は利上げにより景気が後退する懸念があり、将来的な需要が減少することが想定されるために値下がりしていると言われています。

 

過去1年間のWTI原油先物価格ですが、ここ数日は1バレル90ドルを切り、一時85ドル代まで低下しています。ロシアによるウクライナ侵攻前の1月末頃の水準となります。このあたりは先日記事に記事にしました。

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この原油価格下落の傾向は果たしていつまで続くのかはわかりませんが、一方で気になるのが、天然ガス先物価格は原油価格と反対に高騰しているということです。

こちらの背景としてはヨーロッパでの天然ガス不足懸念が言われています。

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ノルドストリームによる天然ガスの供給不安については、こちらも先日記事にしましたが、それに加えヨーロッパで熱波が発生している様です。ヨーロッパ各地で最高気温40度を超えを記録し、各地で山火事も発生している様です。スペインでは1,000人を超える死者も。記録的な猛暑となっています。

そしてこの熱波により河川の水量が低下、水上輸送にも影響が懸念されている様です。ロシアからの供給不足を補うために稼働している石炭火力発電所の石炭輸送に影響が特に懸念をされていて、また水量の低下から水力発電の発電量も不安視されています。この様な環境下でヨーロッパでは電力価格はさらに高騰をしています。一周回って代替エネルギー天然ガスの需要が膨らんで価格上昇を引き落としている状況です。

 

アメリカでは物価上昇が減速し始めているとされていますが、ヨーロッパではエネルギー価格が収まらず、物価が上昇している状況です。

17日発表のイギリスの7月の消費者物価指数は前年同月比10.1%。イングランド銀行では10月には前年同月比13%まで加速するとしています。金利の引き上げ傾向が続き、ヨーロッパでは景気後退リスクが高まっている様子。

世界的な経済のうねりはますます難しい状況になっている様です。