6月FOMCの議事要旨の公表。スタグフレーション回避に向けた動き。
6月14日から15日にかけて開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が7月7日に公表されました。
「政策引き締めは経済成長ペースを一時的に減速させ得るが、最大限の雇用を持続的なベースで達成するためには2%へのインフレ率回帰が極めて重要」
という見解は、景気後退を犠牲にしてでも、インフレ対策を行うことを示唆しています。
インフレへの言及が90回に上ったのに対し、「リセッション(景気後退)」の場合はゼロ
ここもFOMCのスタンスをよく表しています。
最も避けなければならないシナリオは、スタグフレーション、つまり景気後退と物価上昇が同時に進行する状況です。現在の状況はスタグフレーションに近い状況になりつつあり、原油を始めとした資源価格の高騰により経済情勢とは無関係に物価が上昇しつつあります。この中で景気が悪化すれば賃金が上がらない状態となり、市民は生活に苦しむことになります。
これを防ぐために急いで物価上昇を抑え込むという対応を、FOMCは実施している状況です。この考えのもと、議事要旨では7月の会合では0.50~0.75%の政策金利の引き上げを示唆していて、物価上昇への最優先の対処を行っています。
直近では、アメリカの失業保険の申請数が1月以来の高い水準となったというニュースがあります。これは失業者が多くなるという景気後退のニュースではあるものの、企業側の動きを見れば人件費コストが減少し、商品の価格の下げる方向性となります。
7月8日には雇用統計も発表され失業率は3.6%と前月維持されているものの、雇用者数は微減となりました。今後、消費者物価指数が7月13日に発表されます。この数値がどれほどのものかを見た上で、7月26日〜27日にかけて開かれるFOMCの会合での利上げ幅が決定されることになります。
このように次の利上げ幅を判断しうる経済指標はとても大きな意味合いを持つことになります。