まなびの『び』

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2022年6月の相場振り返り

2022年6月の相場の振り返りです。eMAXIS Slimシリーズの基準価格の推移を参考にみていきます。図は前月末の各投資信託の基準価格を1として、その推移をグラフ化したものです。参考にドル円の推移も掲載しています。

 


6月に入り、雇用統計が市場予想を上回るなど、アメリカのインフレの鎮静の兆しを見せ、また中国でも上海でのロックダウンが解除されはじめ、株式市場は回復傾向が見られました。

この間、アメリカでは長期金利上昇するのに対し、日本は政策金利が維持され、円安ドル高が進行。日本の製造業を中心に株価上昇が進んでいきました。一方のヨーロッパではインフレへの警戒が引き続き高い傾向にあります。

 

そのような中、6月10日に5月のアメリ消費者物価指数(CPI)が発表されました。総合指数、エネルギー、食品を除いたコア指数ともに、市場予想を上回り、かつ前月4月からさらに加速する結果となりました。上で記載の通り、アメリカでは少しインフレ傾向が収まってきたのではとされてきたところでの今回の発表で、緊張感が急激に高まりました。

 

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続く14日から15日にかけてはアメリFOMCが開催され、0.75%の利上げを引き上げました。このFOMCの前に、市場は0.75%以上の利上げが実施されることを折り込みに行っていたため、FOMC通過後株価は安心感から一時的に一定回復することになりました。それでも景気後退リスクが高まり、その後株価は再び下落傾向となりました。

ヨーロッパでは、これまで15年間ゼロ金利政策を続けてきたスイス国立銀行が0.5%の大幅利上げを実施。市場では予想しておらず、大きなサプライズとなりました。

 

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これらの流れを受けて海外投資家からもさすがに日本銀行が動くのでは?と一時的に円高にふれるも、政策金利の据え置きの決定を発表。再び円安に拍車がかかりました。

 

このあたりが6月の株価の底となり、その後はアメリカを中心に株価は回復傾向となりました。とはいっても、経済減速が現実味を帯びる中で、慎重な重い値動きとなっていました。

早いもので2022年も半年が終了。下期は本格的な景気後退との戦いになっていきそうです。