まなびの『び』

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2022年5月の相場振り返り

2022年5月の相場の振り返りです。eMAXIS Slimシリーズの基準価格の推移を参考にみていきます。図は前月末の各投資信託の基準価格を1として、その推移をグラフ化したものです。参考にドル円の推移も掲載しています。

 

 

5月に入ってすぐゴールデンウィークがあったため、投資信託の基準価格の推移で見るとほとんど動きはありませんでしたが、この間に大きなイベントがありました。

 

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5月3日、4日に米連邦公開市場委員会FOMC)が行われ、0.5%の大幅利上げとバランスシートの縮小開始が発表されました。この発表は市場としては想定内、むしろよりタカ派の恐れを想定したものの戻りもあり、発表前後でのアメリカ市場での動きは比較的緩やかでした。

一方で、中国ではロックダウンの影響による成長の下ぶれ等もあり、世界的な景気の悪化への不安感が高まっている様な状況です。この将来の景気を占う各指数の発表等により揺さぶられることになります。

 

5月11日には4月の消費者物価指数が発表。前年比8.3%増と高い水準ながらも、3月が8.5%増からは、増率が縮小。これは8ヶ月ぶりとのことでした。しかし、市場予測よりも高い水準とのことで、インフレ率がピークであるという想定はクリアしたものの、インフレの長期化についてはまだまだ懸念される状況です。

リスク回避の動きは強く、世界的に株価が下がりました。特に成長株の下落は大きく、ナスダックを中心に大きく指数が低下していきました。

 

 

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その様な中で、アメリカの大手小売業者ウォルマート、ターゲットが決算を発表。いずれもコスト増からの利益について見通しを下方修正。この影響はアメリカ市場全体に波及し、インフレの企業業績への影響がより鮮明になった形の様です。アメリカのダウ平均は7週連続で下落、21年ぶりを記録しました。

一方で日本市場は、好決算を発表する企業が多く、また多くの企業で自社株買いを発表。これにより個別に上昇する銘柄も多く、日経平均株価は持ち直しがありました。

 

5月下旬に入ると、久しぶりにアメリカ市場が反発。つられて日本も上昇する形になります。FRBが過度な利上げを行わないことを示唆する発言があるなど、悪い市場の空気は一旦終了を見せるものの、インフレ懸念がなくなったわけではなく、またロシア-ウクライナ情勢も長期化の様相もあり、先行きが不透明な状況です。

その中でも日本では、新型コロナウイルスに対する水際対策の緩和についての発言もあり、今後のインバウンド需要の復活が期待されています。日本は現在円安の状況ですから、最大限にこの効果を活かして、日本経済の回復に寄与してくれることを期待したいです。