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フリー(4478)の決算発表

個人事業主・中小企業向けクラウド会計ソフトを運営するフリーが2022年6月期の決算を発表しました。

 

フリーの事業内容

フリーは2012年に設立した設立10年の企業で、個人事業主、従業員19名以下の企業(Small)、従業員1,000名以下の(Mid)をあわせスモールビジネスと呼び、『スモールビジネスを、世界の主役に。』というミッションで『だれもが自由に経営できる統合型経営プラットフォーム』の実現を目指しています。

2013年「クラウド会計ソフトfreee(freee会計)」を発表。2014年にはもう一つの柱である「クラウド給与計算ソフトfreee(freee人事労務)」をリリースしています。

「freee会計」ではクレジットカードや銀行口座と同期することで、システム上にデータを取り込み、AIで自動的に仕分けを行うということが特徴で、本来であれば簿記の知識が必要で手間がかかる会計業務を、直感的に実現することができる様にしています。

また、「freee人事労務」についても、本来であれば社会保険源泉徴収など専門知識が必要ですが、こちらも従業員が必要な情報を登録、勤怠をつけることで、給与計算、申告書類等も自動で作成することができるツールとなっています。

 

フリーの業績推移

2022年6月期の売上高は前期比40.2%の増収となりました。一方営業利益、最終利益は赤字状態が継続しています。

最終利益の赤字額は毎年3,000百万円ほどですが、2022年6月期は1,1609百万円と大きくなりました。これは、ソフトウェア、M&Aののれんといった固定資産の減損処理をおこなったもので、9,088百万円を計上しています。この影響を除けばおよそ例年と変わらない傾向だったと言えます。

赤字が続くのは、収益の確保よりもプロダクトを開発する費用や、顧客獲得のための投資を優先しているためです。2023年6月期は調整後営業利益をさらに損失が大きい7,452〜6,802百万円の損失として見込んでいます。

フリーの株価推移

フリーの株価は2019年の上場以来、2021年2月をピークにその後下降傾向にあります。今年5月に入ってから3ヶ月間下げるスピードが停滞したところで今回の決算発表でした。売上高の成長率は素晴らしいのですが、利益を稼ぐことができるのがいつになるのかが見えず、2023年6月期も赤字が拡大している状況ですので、反転を期待している人からすると少し厳しい決算発表だったのではないかと想像します。PTSでも終値から10.6%下がってしまいました。