まなびの『び』

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高騰する光熱費への支援策について考察

資源価格の高騰を受け、電気料金やガス料金が高騰をし、家計を苦しめている要因となっています。これに対して岸田政権は電気料金の引き下げ策について検討しています。これについて考察してみます。

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まだ案段階ではありますが、電力小売業者に政府が支援金を配り、それを原資にユーザーの電気料金を値引きするといった方法です。ガソリン価格の補助と似たような仕組みの様に思います。これにより一般家庭では約2割ほどの支援となる見込みの様です。

 

今日本で起こっている物価上昇はエネルギー価格の高騰が主な背景となっていて、電気使用量は家計の所得別ではそれほど違いはないため、どちらかといえば所得が低い家庭の方が家計へのダメージが大きいものです。その様な中で、光熱費への支援は低所得者への支援に繋がりやすいものではないかと思います。

例えば消費税の減税と比較してみます。飲食料品などに対する軽減税率もありますので、消費税は高額消費を行うほど多く支払うことになります。ですので、消費税減税を支援策としてしまうと、高所得者ほど支援が大きい、すなわち逆進性が大きい政策ということになります。

 

つい先日、気象庁から3ヶ月予報が発表されましたが、これに寄ると今年の冬、特に12月〜1月については、平年より気温が低くなる可能性が高い様です。つまり暖房の使用頻度が増えることになるので、電力消費が多くなりそうです。そうなると、家計への支援の面では効果が大きいので、なるべく早くこの支援策をスタートさせなければならないと思います。

 

気になるのは電力不足の問題。夏にも急な暑さにより冷房需要が高まって一時的な電力不足懸念がありましたが、冬季の暖房需要が大きくなる時期です。

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あまり大きく話題になっている様に見えませんが、今後の節電要請を行うことについての記事も最近ででています。

支援策によりエネルギーコストの一部負担となれば、使用することに対する抵抗感が若干でも薄らぐ可能性があり、節電マインドが下がることが懸念点でしょうか。

 

また、ガソリン価格への支援もそうですが、その出口戦略についても並行して議論をすべきです。

このブログでも何度か取り上げていますが、原油先物価格は景気停滞懸念から一時期の高騰からは一服しています。今辞めるべきかという議論ではなく、どういう状況であれば延長せずに支援を辞めるべきか、を議論すべきだと思います。