まなびの『び』

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日本11月消費者物価指数(コア指数)は3.7%上昇

2022年11月の消費者物価指数が発表されました。各指数の前年同月比を見てみますと、

・総合指数 前年同月比3.8%上昇

・生鮮食品を除く総合指数(コア指数) 前年同月比3.7%上昇

・生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数 前年同月比2.8%上昇

といずれも高い伸び率を記録しました。

昨月10月の消費者物価指数の総合指数は3.7%上昇、生鮮食品を除く総合指数が3.6%上昇ということで、伸び率が若干ではあるものの加速しています。コア指数3.7%上昇というのは1981年12月の記録以来の数字で、40年11ヶ月ぶりということです。なお、このときは第二次オイルショックにより物価が押し上げられたときということになります。

 

コア指数の要因を見ていきますと、

生鮮食品を除く食料が6.8%上昇。食用油や食パン、牛乳など幅広い品目で伸びました。

また、光熱・水道で14.1%上昇。これは傾向はこれまでと大きく変わりませんが、電気代が20.1%、ガス代も21。0%といずれもおよそ2割も上昇しています。電気料金については、いくつかの電力会社が値上げを経済産業省に申請をしていて、今後の価格がどうなるのかも心配なところです。

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家具・家事用品が7.3%の上昇。特にルームエアコンが12.7%の上昇となりました。

 

一方、前年同月比と比べて低下したのが宿泊料で、20.0%と大きく下落しています。これは、全国旅行支援が寄与しているものです。

また興味深いのはエネルギーのうちのガソリン。10月は前年同月比2.9%だったのですが、▲1.0%と下落に転じました。補助金の効果、原油価格が将来の世界的な需要の減少(リセッション懸念)、円安の一服といった背景でガソリン価格が低下したものと思います。補助金は置いておいて、資源高要因の寄与はやや収まってくる可能性があります。

ただ、食品や日用品など、1月以降にすでに発表されているものも少なくなく、これらによる物価上昇の押し上げはまだ続くのでしょう。今後についてどうなるのか。鍵を握るのは人件費かと思います。

労働者としては、物価高対策として人件費を挙げてもらう必要がありますが、人件費は、=コスト、ですから次年度以降のインフレリスクにはなります。一方でこれが安定的に2%程度になることが、黒田総裁率いる日本銀行の目標ですし、資源高インフレから人件費インフレに転換できるかが腕の見せ所、ということになります。