まなびの『び』

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2023年度のGDP成長率は1.5%?

今日は2023年度のGDPの実質成長率見通しを1.5%と発表したという報道について。これまでは1.1%としていたため、上方修正をしたことになります。

 

www.nikkei.com

上記日経記事によると、個人消費が2.2%の伸び。設備投資は5.0%の伸び。内需の寄与度は1.6%ポイントに対して、外需は▲0.1%でした。つまり、日本経済を強く牽引するのは国内の設備投資ということになります。

 

それだけ設備投資を促していくのが、グリーンとデジタルの分野。ここがうまくいくのでしょうか。壁となるのが、先日の日銀の金融政策の転換は、今回の見通しには考慮外となっているとのことです。

 

つまり、想定よりもすでに長期金利が上昇している状態であり、予想通り設備投資がされるには最初から躓いてしまっている、ということになります。長期金利が上がれば、企業としては新たに設備投資のために借り入れをしにくくなります。そうなれば上述の国内での設備投資の伸びは想定よりも落ちてしまいます。

今後新たに日銀の方針転換も考慮してGDP長率の見通しを再試算するのであれば、1.5%より厳しいものになるということになります。

 

ちなみに10月に国債通貨基金IMFが発表した世界各国の経済成長率について、日本は1.6%でした。日銀の緩和効果は置いておいて、今回発表した政府の1.5%という数字はIMFのものと近いということになります。

manabinobi.hatenablog.com

 

先の日銀の金融緩和に加え、国内の物価上昇とそれに伴う家計への影響がどうか、地政学リスクも踏まえた資源高の推移。世界経済の行方など、懸念要素は多いかと。円安が一区切りつき、海外の利上げ政策を考えると輸出企業は苦しくなります。国内需要をいかに下支えするかが大事なのは、今回の政府の見通し通りかと思います。