まなびの『び』

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中国のコロナ規制緩和と各国のコロナ規制強化

2022年12月31日、今年最後の記事になる予定です。2022年も色々ありましたが、振り返り記事はまた別途投稿予定です。2019年12月に中国で感染者が報告されて以降、4度めの年越しです。

アメリカやヨーロッパに遅れて、日本も制限緩和が進んだ2022年でした。明確な定義があるかはわかりませんが、今年2月頃にピークがあった第6波、9月頃にピークのあった第7波は、それぞれ当時の感染者数の過去最多を更新しました。それでも、飲食店などの店舗側への自粛要請や、夏休みシーズンなどの行動自粛などといった規制はなく、またマスクにしても「屋外では外しましょう」と政府も積極的に発言する様になりました。現在も感染者数が急増していて第8波の入り口と言われていますが、年末年始の人手はコロナ流行以来最多とも言われていて、『withコロナ』に転換した2022年だったと感じます。

しかし、その中で不安に感じるのが、先日記事にもした中国の感染者数の急増の話題。さらにその状況下にありつつも中国がさらなる規制緩和を行うという報道です。

中国政府は、海外から中国に入国する際に義務付けられていた隔離を撤廃することとなりました。これにより事実上の海外渡航解禁ということになります。新年1月下旬には、中国文化で重要な旧正月春節シーズンに入ります。この春節シーズンには中国国内外への移動が盛んになります。行動制限が解除されるということは人と人との接触が増えるということで、感染が広がるファクターになります。

日本も感染者数が増えている中で自由に移動している、というのとあまり違いがないというのは事実ですが、中国の場合は、先日記事にも記載した通り、感染状況について政府発表と地方での発表に矛盾が生じていて、感染状況が不明瞭ということが不安を掻き立てています。もしかしたら報道されていないだけかもしれませんが、ゲノム解析等もされていないかもしれません。これは、現在中国で感染が広がっている新型コロナウイルスがどの変異株かもわかりませんし、あるいは新たな変異株ができている可能性もあります。そもそも感染が広がっているときは新たな変異株が生じやすいということになります。正確なデータがどれかわからないですが、地方政府の発表が事実だとすれば、直感的には感染スピードが早すぎる気もします。

この様な状況下で、日本を始めアメリカやインドなど各国は中国からの渡航者に対する水際対策を強化する動きに出ています。冷静に見ると非常に違和感のある動きになっています。すなわち、これまで規制の厳しかった中国が緩和へ、対して緩和しつつあった国々が規制強化をしている、という構図です。2021年11月にオミクロン株が新たに発見された後、速やかに各国が水際対策が強化されたのを思い出します。杞憂であればよいですが。

コロナでいたんだ経済のために緩和した金融政策を引き締めにかかった2022年。その引き締めがいつまで続けられるかに注目が集まる2023年。色々と波乱が想像されますが、それでもいい年になることを期待します。よいお年をお迎えください。