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トヨタ自動車の第3四半期決算

先日社長後退を発表したトヨタ自動車が、2023年3月期の第3四半期の決算を発表しました。

トヨタ自動車の2022年4〜12月期の連結決算は、営業収益が前年同期比18.0%増収したものの、営業利益が▲17.1%、親会社の所有者に帰属する四半期利益が▲18.0%の減益となりました。

決算説明資料よりこの第3四半期サマリーとしては、以下の通り記載されています。

半導体需給ひっ迫や自然災害などの影響で生産計画が大きく変動する中、
売店仕入先・工場の現場が必死に努力
・9ヶ月累計の営業利益は減益だが、第3四半期3ヶ月は、
資材高騰のマイナスを為替の円安や台数増加のプラスが上回り、増益を確保

と10~12月の3ヶ月で言えば、営業利益前期から1,722億円の増加となっています。為替影響により4,800億円、販売台数が増えたなど営業面の努力で1,700億円の増益効果があり、一方で改善努力も含め資材価格の高騰などにより▲2,900億円、人件費や研究費用の増加などの減益効果となりました。通じて見ると、やはり前年対比で為替の影響は大きいものです。今四半期期はプラスとなったものの円安が一服してきている中で、コスト増による営業利益を圧迫している構図ということのようですね。

 

業績見通しについては前回から変更していません。見通しの前提としている第4四半期のドル円相場は1ドル125円としています。今がおおよそ131円程度ですので、だいぶ上方修正余地は限られてきたでしょうか。

今回の決算発表は後場中に行われました。このためすぐに株価が反応してきています。トヨタ自動車の9日の終値は前営業日8日の終値から3.5円の増加と微増でした。

上図は直近5営業日の株価推移ですが、決算発表前は決算内容を警戒されたのか、下落傾向にあり、決算発表後は安心感からか一時1923円まで上昇しました。瞬間的に前日終値から1.3%ほど上昇しています。その後はだらだらと下っていく展開で、上述の通り微増で終わっています。流れはそんなに良くない様に思えますね。