まなびの『び』

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トヨタ自動車の7-9月決算について

11月1日にトヨタ自動車も決算を発表しましたが、苦しい状況を示す内容でした。2023年3月期の第2四半期ということで上期末ということでした。

4月から9月累計の業績については、売上高は前年同期比14.4%と増収だったものの、営業利益は34.7%、最終利益は23.2%の減益となりました。円安についてはプラスですが、鉄やアルミニウムなどの原材料価格の高騰、輸送コストなども利益面でマイナスの要素となっています。

2023年3月通期の生産台数を970万台から920万台と50万台を下方修正しているものの、為替の見通しを1ドル130円から135円に引き上げたこともあり、売上高は見通しを4.3%としました。

内容的にはかなり厳しいものになりました。

市場の反応として上図、直近5日間のチャートを見てみると、決算発表のあった1日12時30分になると大きく下落している事がわかります。発表直前の株価が2064.5円、発表後は2021.0円となるので、一瞬で2.1%の下落となりました。

 

それにしても円安は輸出企業にとってはプラス効果であり、実際にトヨタの業績発表では売上については追い風となっているのは事実ですが、反対に利益面ではマイナス効果になっている点が今回のトヨタ自動車の業績発表で見えました。

特に原材料を輸入している企業にとっては円安による調達コスト、輸送コストについても 上昇してしまいました。当然企業によってはその調達環境が異なるので、一概には言えませんが、日本最大の製造業である自動車業界の雄トヨタ自動車の決算発表をみると、現在の日本の立ち位置の難しさが見えてくるような気がします。