まなびの『び』

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銀行株が混乱する中、クレディ・スイスによる波も。

アメリカではシリコンバレーバンクの経営破綻が日本の株式市場へ混乱をもたらしましたが、今度はスイスのクレディ・スイス銀行が新たな混乱を巻き起こしています。

 

クレディ・スイスといえば世界的に見ても大手の金融企業です。この企業に何が起こったかと言えば、以下Bloombergの記事が詳しいです。

www.bloomberg.co.jp

これまでにクレディ・スイスは不祥事が相次ぎ、その後に今年に入り、年次報告書においてアメリカ証券取引委員会の内容確認があり、報告書の公表が延期されます。クレディ・スイスによると、過去の財務報告の内部統制に重大な弱点がある、としました。つまり過去の財務状況に修正があるということが想像されます。

クレディ・スイス筆頭株主のサウジ・ナショナル・バンクが追加での資本投入をしないことを発表しました。これによりクレディ・スイスの信用不安が広がりました。タイミング的にアメリカのシリコンバレーバンクの経営破綻の発表のあった直後であり、金融に対する不安が世界中に急速に広まりました。

過去5年間のチャートを見てみると、2021年から下落が続いていることがわかります。これは週足チャートですが、特に最後の1本、つまり今週の下落が目立ちます。先のサウジ・ナショナル・バンクの追加投資をしない旨の発言で、クレディ・スイス流動性、つまり手持ち資産がショートすることを恐れて投資家のリスク回避に繋がりました。

このクレディ・スイスの状況に対してスイス国立銀行が500億スイスフラン(約7兆円)の流動性資金を供給することを発表しました。中央銀行たるスイス国立銀行が金融システムの安定化を狙ったもの、市場に安心感を与えるため、という思惑もあると思います。

日経平均クレディ・スイスによる混乱もあり、3月16日の市場も急落。前日は少し落ち着いた動きだったのに対し、再びの急落。まだ、落ち着きが見えませんね。