まなびの『び』

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最近の中国の話題(全人代・中東)

シリコンバレーバンクから始まるショックが続いていますが、今回は離れて最近の中国について見てみます。

というのも、今月13日に全国人民代表会議(全人代)が閉幕しました。全人代は中国の立法府で日本にとって国会にあたりますので、重要な意味を含めます。

まずは、習近平氏が3期目の国家主席に就任し、首相は、李強氏が専任されました。李強氏は習氏に近い存在ということの様で、習氏1強の体制が強化されることになるそうです。習氏にとってみれば動きやすくなる反面、ブレーキ役が存在しないというとで、万が一暴走したときのリスクがあります。

このあたりは、今年1月に取り上げたTOP RISKS 2023の第2位に、『「絶対的権力者」習近平』となっているものに、より近しい状況となっている、と言えます。(そうなるだろうとこの時点で予想されていたものですが)

manabinobi.hatenablog.com

 

さて、今回の全人代の中で定められたのが、2023年の経済成長の目標で、5%前後と発表されました。2022年の当初目標は5.5%前後だでした。この5.5%の目標に対して、「ゼロコロナ」等による行動制限による影響もあり、実態3%程度にとどまったとされています。これに比べれば、5%というのは実態に対しては増えてはいるのですが、目標感が下がっているということになります。一方でゼロコロナ政策は解除され、これまでは経済の急回復がなされている状況から、昨年ほどの苦しさはないか、と想像します。

 

もう1点、中国の話題で取り上げたいのは、最近の外交での成果です。

それまで隔たりのあったイランとサウジアラビアが、3月10日に国交正常化に向けた合意をしたと発表しました。そして、この背景に中国が2国間の間を取り持ったということです。中国が中等地域において存在感を示しています。

アメリカは中東に対して影響力が以前はあったものの、最近では低下し、昨年インフレ対策としてバイデン大統領が石油増産に向けてサウジアラビアを訪問、説得を試みたものの成果は得られなかった、といったこともありました。

その中で中国主導でイランとサウジアラビアが外交正常化されるというニュースは、米中間対立が深まる中で衝撃的な話です。特に日本は原油の輸入を依存していますので、仮に日中対立が深まったときに、中東諸国が日本に味方してもらえるかは経済安保上にとっても重要なことになります。日本にとって強固な関係性を構築する必要があります。