まなびの『び』

投資運用、業界研究、時事、その他学んだことを

ヨーロッパでも利上げ減速。だけど。。。

先日はアメリカでのFOMCにて政策金利の利上げがこれまでの0.75%から0.5%へ利上げ幅が縮小した、と書きましたが、今回はヨーロッパです。イギリス、そしてEUもそれぞれ政策金利を引き上げましたが、いずれもアメリカと同様に利上げ幅を縮小することとなりました。

 

イギリスの中央銀行であるイングランド銀行が、前回0.75%の利上げから0.5%への利上げ。

EU中央銀行欧州中央銀行も、同じく0.75%から0.5%へ利上げ幅を縮小。

スイスでもスイス国立銀行が、前回0.75%から0.5%への利上げ。

いずれもブレーキを踏みっぱなしの状態ではありますが、ブレーキの踏み方が少し緩んだという状況です。

 

前回の記事で書きましたがアメリカは消費者物価指数がピークアウトしているように見えます。一方でイギリスについては、まだまだ消費者物価指数がピークアウトしたとは言いづらい状況です。

9月は10.1%、10月は11.1%、11月は10.7%

と推移だけをみれば、10月がピークだったと判断するには早すぎるように思えます。

それなのになぜ利上げ幅を縮小したのでしょうか。

日本経済新聞の記事(英中銀、利上げ停止にも支持 景気と物価でジレンマ: 日本経済新聞)によると、議事要旨にて、

「金融引き締めの結果として、実体経済はすでに弱まっている」。

という発言があったとしています。高止まり状態のインフレ率を抑制するために利上げを継続することは重要ながら、これ以上の急ブレーキは経済へ与える影響が大きすぎるということでしょうか。

 

EUも同様で、EU消費者物価指数は、9月9.9%、10月10.6%、11月10.0%と高水準で推移しています。欧州中央銀行の総裁ラガルド氏は

「我々は政策転換せず、揺らぐこともない」

と、タカ派な発言をしているものの、物価だけでなく経済成長に配慮をした対応の結果のブレーキの緩和ということになります。

 

ドイツのDAX指数は0.50%の利上げ発表のあった15日に前営業日の3.3%の下落、16日にさらに0.7%の下落となりました。これら株価の下落はヨーロッパ圏内にとどまらず、日本やアメリカにも波及をしています。

各国中央銀行は非常に難しい判断をしているように思いますが、答えが判明するのはもう少し時間がかかります。