まなびの『び』

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アメリカ株式市場急落、ジャクソンホールでの発言

タイトルの通りですが、8月26日のアメリカの株式市場が急落しました。

ダウ平均株価

ダウ平均株価の5日間の動きですが、26日10時から激しい動きを始め、その後終値ベースで前日比1,008ドル、3.0%の下落となりました。

ナスダック総合指数

ナスダック総合指数の5日間の値動きも同様ですが、前日終値から497ポイント、3.9%と下落幅はさらに大きくなりました。

パウエルFRB議長の発言

さて、ここまで大きく下がった原因は、アメリ連邦準備制度理事会FRB)のパウエル議長の発言です。先日紹介した通り、現在は各中央銀行の総裁が出席するシンポジウムのジャクソンホールが開かれています。

manabinobi.hatenablog.com

日経新聞の記事(株高期待を打ち砕いたFRB議長講演(NY特急便): 日本経済新聞)によれば、

「歴史は時期尚早の金融緩和を強く戒めている」「(物価上昇を2%に戻すという)我々の仕事が完了するまで金融引き締めを続けなくてはならない」

7月のアメリカの消費者物価指数は確かに鈍化していますが、FRBとしての目標は2%に対して8.5%と高い水準であり、引き続き利上げによる物価安定を目指す意図が読み取れます。

このところ消費者物価指数の鈍化を背景に利上げペースを落とすのでは。成長鈍化に配慮して利上げを止めるのでは。といった期待によりこのところ1か月ほど株式市場は上昇をしていましたが、今回の発言で、上述の通り大きく下落することになりました。

8月はアメリ連邦公開市場委員会FOMC)はお休みで、次回9月に行われることになりますが、このときの利上げがどうなるかを発言したものではありませんが、警戒感が非常に高くなったといえます。

これまで、このブログで記事にもした通り、経済後退リスクはアメリカだけでなく、エネルギー供給に不安を抱えるヨーロッパや、ゼロコロナ政策によるロックダウン影響が大きい中国、また金利格差による自国通貨安に伴うインフレに苦しむ途上国など、世界全体でリスクを孕んでいます。世界経済は複雑なバランスになってきているように思えます。