まなびの『び』

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金融不安の続く中、ECBは0.5%利上げ

ブログを取り上げる順番は前後しますが、3月16日に欧州中央銀行(ECB)が、0.50%の利上げを発表しました。0.50%乗り上げは3会合連続となります。www.bloomberg.co.jp

Bloombergの上リンク先の記事を参照しますと、「0.25%の利上げ」については議論されず、「利上げ見送り」か「0.50%の利上げ」の選択の中で大多数の指示により決定されたとのことです。

利上げは今起こっている金融不安に対しては、マイナスではありますが、今回の決定はインフレへの対応を優先させたといことです。それだけEU圏内ではインフレに危機感を持っているということになります。

2月のユーロ圏の消費者物価指数は8.5%で、1月の8.6%から微減にとどまっています。価格変動が大きいエネルギーと食品を除いたコア指数は5.6%で、1月の5.3%から加速を続けています。(ユーロ圏2月インフレ、予想上回る8.5%-コアは過去最高を更新 - BloombergEuro-Area Core Inflation Hits Record | ...and headline rate slows less than forecast

上図は先のBloombergの記事より消費者物価指数の推移ですが、黒いラインが総合指数、赤いラインがエネルギーや食品を除いたコア指数です、総合指数はピークは超えつつある(前月からやや下げ止まっている)状況ですが、コア指数はピークはまだ見えていません。

さらに言えば、ユーロ圏全体の消費者物価指数は上述の通りですが、国別で言えば、ドイツなどの国で消費者物価指数がむしろ上昇しており、これらの状況であることから、インフレ対策を優先したということになります。

直近、別記事で取り上げている通り、ヨーロッパにもクレディ・スイス発の金融不安は広がっており、ECBの難しい判断が続きます。

 

そして、来週(3月21~22日)にはアメリカでアメリ連邦公開市場委員会FOMC)があります。アメリカでも粘着的なインフレが続いていて、その影響による中堅銀行の経営破綻にも至りました。FOMCも非常にセンシティブな判断となります。