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洋上風力発電事業者に選定された三菱商事(8058)という企業

今回は洋上風力発電事業者に選定された三菱商事についての銘柄分析となります。

 

三菱商事の事業セグメント

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2020年の有価証券報告書によると、三菱商事の事業セグメントは以下10のセグメントに分かれています。

天然ガス」:北米、東南アジア、豪州、ロシアなどにおいて、天然ガス原油の生産・開発事業、液化天然ガス(LNG)事業などを行っています。

「総合資材」:自動車・モビリティや建設・インフラなどといった対面業界において、炭素、鉄鋼製品、機能素材など多岐にわたる素材の販売取引、事業開発、事業投資を行っています。

「石油・化学」:原油、石油製品、LPG、エチレン、メタノール、塩、アンモニア、プラスチック、肥料など幅広い石油・化学関連分野において、販売取引、事業開発、投資などを行っています。

「金属資源」:原料炭、銅、鉄鉱石、アルミといった金属資源への投資・開発などを通じて事業経営に携わると共に、グローバルネットワークを通じた鉄鋼原料、非鉄原料、製品における質の高いサービスや機能を活かし、供給体制を強化しています。

「産業インフラ」:エネルギーインフラ、産業プラント、工作機械、農業機械、鉱山機械、エレベーター、エスカレーター、船舶、宇宙航空関連機器など幅広い分野における事業及び関連する取引などを行っています。

「自動車・モビリティ」:乗用車・商用車の販売や販売金融を中心に、生産、アフターサービスも含め一連のバリューチェーン事業に深く関与しています。また、ヒトやモノの移動に関する課題を解決するモビリティ関連事業に取り組んでいます。

「食品産業」:食糧、生鮮品、生活消費材、食品素材などの「食」に関わる分野で、原料の生産・調達から製品製造に至るまでの幅広い領域において、販売取引、事業開発などを行っています。

「コンシューマー産業」:小売・流通、物流、ヘルスケア、衣料、タイヤ他の各領域において、商品・サービスの提供、事業開発などを行っています。

「電力ソリューション」:国内外の産業の基盤である電力関連事業における幅広い分野に取り組んでいます。具体的には、発・送電事業、電力トレーディング、小売事業や発送電設備販売に加え、リチウムイオン電池の製造や、無電化地域での分散電源事業等の電池サービス事業、水素エネルギー開発等を行っています。

「複合都市開発」:都市開発・不動産、企業投資、リース、インフラなどの分野において、開発事業、運用・運営を行っています。

 

川上(原油や金属資源等の資源や食品の原材料)から川中(製造機械等)、川下(ユーザーが購入する商品)まで様々な事業への投資による事業展開を行っています。子会社・持分法適用会社は独断と偏見的に代表的な企業を挙げると、ローソン、三菱自動車、TOYO TIRE、伊藤ハム米久ホールディングス、三菱食品千代田化工建設日本KFCホールディングス、リチウムエナジージャパンなどなど。

 

今回の洋上風力発電事業選定に関していえば、三菱商事はヨーロッパで洋上風力発電の運営も既に取り組んでいます。2020年にはオランダのEneco社に中部電力と共同出資を行い、ベルギーの洋上風力発電事業へ参画しています。

日本は化石燃料の輸入国ですが、その化石燃料開発に携わる三菱商事は現在の脱炭素の方向性からは逆風となります。しかし、今回の3区域とも洋上風力事業者に選ばれたことは、企業の脱炭素に取り組むイメージへの大きな一手だと思います。

 

三菱商事の経営指標

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冒頭が長すぎたのでさらっと行きます。三菱商事は昨年、大きく減益をしましたが、直近では、資源高の影響もあり改善をしています。

 

三菱商事の株価推移

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三菱商事の株価推移は直近の資源高・円安影響を受け、今年の株価は右型上がりです。上のチャートは先週末までなので、チャート外ですが、今回の事業者選定のニュースを受けても株価はほとんど変わらず。三菱商事全体と比較すればそれほどインパクトは大きくないのでしょう。先までの記事の通り安価での入札となりましたし。

 

洋上風力発電事業者の決定の記事は、こちら。

 

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