2021年の日経平均まとめ
2021年の日本の株価の動きも見ながら、2021年はどの様な年だったかを振り返ってみたいと思います。
2021年の日経平均株価の終値は28,791.71円と年末終値としては32年ぶりの高値だったそうです。2020年終値が27,444.17円でしたから、4.9%上昇となりました。
高値は9月14日の30,795.78円
一方安値は8月20日の26,954.81円
となります。
◯新型コロナウイルスによる緊急事態宣言
2020年に引き続き、2021年は新型コロナウイルスに翻弄される1年となりました。振り返ると、東京都の一日の新規感染者として初めて1000人を超えたのが2020年12月31日。当然に年明け以降も感染が続きます。
2021年の新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言が発令されていた時期は次の通り。
・1月8日から3月21日
・4月25日から6月20日
・7月12日から9月30日
2020年の第1回目の緊急事態宣言下の様な厳しい制限ではなかったものの、営業活動が制限され、特に飲食業や観光業にとってダメージが大きいものでした。
感染力の強いデルタ株が2021年4月に日本で初めて確認され、長くコロナと共存していく方法を模索していた印象があります。
11月末にはさらに感染力の強いオミクロン株が発見。日本でも確認され、欧米では過去最高あるいは同等程度の感染者数となるなどニュースとなっています。
◯菅首相から岸田首相への交代
2021年9月3日に菅首相が9月30日の自民党総裁選に立候補しない旨の意思を表明。それまでの支持率低下で10月の衆議院選挙が戦えないという判断もあったのだと思いますが、この表明以降、日経平均株価は急回復。上記の通り9月14日には年初来高値30,795.78円をつけ、1990年以来の高値水準となりました。この日が2021年の高値となります。
自民党総裁選で勝利を収めた岸田首相の経済政策に中身がないと評価をされたためか、総裁選前後で株価は急落。また、金融所得課税強化、自社株買いに対する規制、などに言及すると日本株価が下がる要因にもなりました。
◯サプライチェーン問題
また、今年の相場を振り返る上で重要なことが、サプライチェーンの問題です。世界的な半導体不足により自動車の減産が発生したり、東南アジアにおけるコロナ感染者の増加、アメリカでの人手不足などで、食肉等食料加工品の輸入が滞りました。そして、何より原油、天然ガス、石炭といったエネルギーコストが上がり、輸送費コスト、製造コストの上昇、あるいは中国の電力不足により輸入する原料が少ないなどの影響もありました。
○アメリカでのテーパリング議論と中国での恒大集団デフォルト危機
そして、アメリカではコロナ禍からの急激な生産活動の再開により、人件費高騰による消費者物価の高騰もあり利上げが早まるのでは、といったアメリカ市場発の株価の動きに、日本株式相場も揺り動かされました。また、中国では最大規模の不動産会社である恒大集団が債務不履行の可能性が高まると、世界的に株価が急下降。一時期2008年のリーマンショックの再来かとも言われ、ショック相場のような形にもなった年でした。