イオン株式会社(8267)の決算を見る
小売業の売上高トップ企業イオン株式会社(8627)。先日、1月12日に2022年2月期の第3Q決算が公表されましたので、その内容を確認したいと思います。
◯そもそもイオンの業務内容は?
イオンというと、ショッピングモールのイメージが強いですが、イオン株式会社は持株会社で、傘下に様々な業態の子会社がありますが、セグメント別とすると以下の通りです。
・大型店のイオンで食品や服、日用品等を販売しているGMS(総合スーパー)事業。
・スーパーマーケット特化型のマックスバリューやコンビニエンスストアのミニストップのSM(スーパーマーケット)事業。
・ディスカウントストアのザ・ビッグを運営するDS(ディスカウントストア)事業。
・ドラッグストアのウェルシアを運営するヘルス’ウェルネス事業。
・イオンカードやイオン銀行等の総合金融事業。
・ショッピングモールを開発し、イオンモール内の専門店街にテナントを貸し出すディベロッパー事業。
・イオン内に入っている自前の専門店等のサービス・専門店事業。
・イオンを海外で展開している国際事業。
といったセグメントに分かれています。
代表企業は私がイメージしやすい企業を主観的に選んでいます。
2022年2月期第3四半期までの9か月累計でのセグメント別の営業収益は次のグラフの通りです。
GMS(総合スーパーマーケット)事業、SM(スーパーマーケット)事業の割合が大きく、合わせて62%ほどの売上を占めています。まさに小売業のトップ企業ですので、日本の個人顧客の消費動向の動きがよく分かる企業となります。
◯決算内容
今回発表された第3四半期は9月から11月までの期間となりますが、9月はまだ緊急事態宣言下であり、一方で前年の2020年9月から11月までは感染者数も落ち着いてGo To トラベルやGo To Eatなどの景気刺激策が行われていた様に消費者マインドの高い時期でした。
この様な環境下で今回発表された決算短信や決算説明資料を見ると、食品の売れ行きは好調だった様子でSM事業、またヘルス&ウェルネス事業はコロナ前である前々期も上回っていた様ですが、一方で食品以外は不調で、GMS事業やサービス・専門店事業は苦しみました。この四半期での前年同期比は、売上高は▲0.8%と微減なものの、営業利益▲66.4%経常利益▲80.8%と厳しい結果となりました。
セグメント別に営業利益を見ると、前年差マイナスが大きかったのは、総合金融▲60億円とGMS▲56億円です。総合金融は稼ぎ頭であるべきなのにここで利益が減ってしまうのが辛いですね。
◯市場の反応
株式市場の反応も厳しい評価で、1月13日の株価は前日終値から▲5.70%と大きく値を下げ、昨年来安値を更新しています。下げ傾向ではあったのですが、市場全体の流れもありさらに角度が急降下してしまいました。