まなびの『び』

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トヨタ自動車(7203)の年末からの動きについて

日本の基幹産業である自動車メーカーのトップであるトヨタ自動車(7203)の直近の話題と株価推移を見ていきます。

 

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上図はトヨタ自動車(7203)のここ3ヶ月間の株価推移です。

それまでもなだらかに上昇傾向ではありましたが、年明けから急上昇をした後、戻ってきてしまっています。これとともにこの直近1ヶ月くらいのニュースを振り返ってみましょう。

 

トヨタ自動車は昨年末12月14日に電気自動車戦略について公表しました。それまでトヨタハイブリッド自動車に力はいれているものの、電気自動車については積極的ではない、という印象でした。プラグインハイブリッド車を含めてハイブリッド自動車EUにおいては将来的に禁止される方針であり、トヨタはいずれ市場から締め出されると思われていた中で、いよいよトヨタが電気自動車に本格参入すると、注目が集まりました。

2022年に入り、トヨタは株高でスタートしました。海外での販売台数の多いトヨタにとって円安メリットが大きいことを背景に、そしてアメリカでの新車販売台数がゼネラル・モーターズを抜いて首位となったというニュースもあり、上場来高値となりました。ゼネラルモーターズ半導体不足で生産台数が減少したことに比べ、トヨタは独自のサプライチェーンとうい「強さ」を見せてくれるという期待もあったと思います。その後1月13日には世界の新車販売が2年連続で首位という報道、アメリカでの利上げ期待がある中でグロース株から低PERのバリュー株への資金の流入も追い風になって、トヨタは株高で推移し、1月18日には時価総額が40兆円を超えたこともニュースになりました。

 

しかし、ここから一転逆風がはじまります。

1月18日に2月の生産計画を引き下げを発表しました。理由としてはやはり半導体の供給不足。上記で「強み」としていた半導体供給網が、とうとうトヨタでも崩壊が始まり、期待が剥がれていってしまいました。

さらに、1月20日には自社工場従業員の新型コロナウイルス感染、部品メーカーでの感染拡大で、一部工場が停止されるという状況を発表しました。これまで期待が大きかっただけに、また日本の株式相場が下降傾向ですから、利確売りも大きく反応したものと思います。

今後ですが、アメリカの利上げが進むにつれ円安方向に進めば、トヨタにとっては追い風になります。しかし、今後の株のリスクオフの流れが強まれば、かなり強い逆風になります。コロナ禍はまだまだ終わっておらず、半導体不足、海運の混乱等、様々な不安要素は引き続きあるものと持っています。これからどうなるかを注意深く見ていきたいですね。