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日銀が指し値オペを発表。指しオペって?

日本銀行が14日にも指し値オペを実施するというニュースがありました。この記事について見ていきます。

news.yahoo.co.jp

 

指し値オペとは?

指し値オペとは指定した利回り、今回でいうと0.25%の利回りで、無制限に国債を買い取りを行う、という金利抑制策です。

 

指し値オペを例えて解説してみる。(例のごとく間違っているかも)

現在、アメリカの金利が上がっていますが、これにより日本でも金利が上がっています。日本の市場金利が上がると、すでに債券を持っている人はどうなるでしょうか。

例えば金利0.1%の債券を持っている人がいます。今新たに債券を0.3%の金利で発行できるとしたとき、債券を持っている人は今の債券を手放して、新たに発行した方が得ということになります。ただし、債券を売りたいと思って買ってくれる人を探しても、買いたい人にとっても金利0.1%の債券よりも、新たに発行する0.3%の債券の方が魅力的です。ですから、金利0.1%の債券は値段を下げて売らざるをえません。具体的には0.3%以上の値段になるまで債券価格が下がらないと売却することができないことになります。これが市場金利が上がると、債券の価格が下がる理由の自分なりの理解です。

さてここで、「仮に市場金利が0.3%だったとしても金利0.25%で買い取るよ」という人がでてきたらどうでしょうか。金利0.1%の債券を持っている人は、わざわざ金利0.3%となる価格まで値下げなくても、もっと高い金額で買ってくれる人がいることになります。この金利0.25%で買い取ってくれる人が、日本銀行ということになります。

 

日本銀行が0.25%で買い取ってくれるということの意味

さて、買い手の立場で考えてみます。日本銀行が0.25%で買ってくれることを発表することで、債券を購入したい人が「金利0.3%で買います」と宣言をしても、売ってくれる人がいないということになります。

そうなると、債券を購入したい人は日本銀行が買い取る0.25%よりも低い金利、例えば0.23%といった0.3%よりも高い金額を提示しないと手に入りません。日本銀行が狙っているのはおそらくこれで、実際に金利が0.25%になるというよりも0.25%で上限を設けて蓋をするというイメージとなります。

 

この中でアメリカの金利は上がっていきますから、日本の投資家としては日本の債券よりもアメリカで債券を購入するニーズが高まりますから相対的にアメリカドルの価値が上がって、円安ドル高に傾くかと思います。

 

3月28日追記。

3月28日日本銀行指値オペを実行しました。上記の記事紹介時には応札はなかったのですが、今回は実際に国債の買い上げを行っています。いよいよ本気で025%で蓋を行うことになります。結果円安が急激に進んでいます。こちらはまた記事にしたい。