まなびの『び』

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エネチェンジ(4169)の決算発表。2022年度は営業赤字の見込。でも過去に発表済み。

エネチェンジが先日2021年12月期の本決算を行いました。内容を見ていきます。

 

エネチェンジ 売上高 営業利益 経常利益 最終利益
2022予測 4,000 -1,500 - -
  対前年増率 32.5% 赤転    
2021 3,018 40 -2 -85
  対前年増率 76.2% -23.2% -赤転 赤拡
2020 1,713 53 6 -16

 

まず2021年度ですが、売上高は76.2%増の3,018百万円に。期初の業績見通しでは2,300百万円から3回の見通しの修正を経て31%も上乗せとなりました。リモートワーク等により、電気代への関心の高まりによる新規利用者の獲得が好調に推移しました。一方で、利益は前年よりも落としています。特に経常利益に対しては、12月に実施した公募増資による、株式交付費23百万円、支払手数料30百万円を計上したことが大きく影響しています。

 

さて、2022年度ですが、売上はエネチェンジの2027年に売上高100億円達成を目標に掲げていて、このために年30%の成長を目指していますので、それに向けた32.5%増の4,000百万円の売上高を2022年度の見通しとしています。利益については2021年40百万円の黒字から一転、1,500百万円(15億円)の赤字としています。これは、成長投資を行うとしています。

上でも触れた昨年12月の公募増資を発表した際に、調達資金を2022年度から成長投資に行うとしています。具体的には、

①新規ユーザー獲得のための広告宣伝費等

②オーべラス・ジャパン株式会社の株式取得

③電力データ自由化に向けた会員サービスの強化等

④「脱炭素テックファンド」への出資・運営

⑤EV充電サービスを含むデータ事業の成長投資

これらを2022年度から順次充当していくとしています。

そしてこの際に、2022年12月期にも触れていて、『本件、ファイナンスにより、特に広告宣伝の資金充当期間(2022年1月から2022年12月)においては費用が先行して発生するため、2022年度は営業赤字となる想定。2023年度以降の営業黒字化を目指す』としています。

すなわち、今回の営業赤字発表はすでに発表済みとなり、ある程度は織り込んでいてもいい内容ということになりますが、週明けの値動きはどうなるでしょうか。

ちなみに10日の夜間取引では▲7%値下がりをしました。