まなびの『び』

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マクドナルドの値上げと小麦先物の高騰について

マクドナルドより、3月14日から一部商品の値上げを行う旨の発表がありました。

www.mcdonalds.co.jp

ハンバーガーがこれまでの税込み110円から税込み130円へ20円上がります。他の商品も10~20円ほど値上がりします。

ちなみに、私の学生時代はハンバーガー1個80円でした。なるべくお昼代を節約したくて、ハンバーガー3個+水で、240円で1食済ませていた記憶があります。価格改定後は240円ではハンバーガー2個も買えないと考えたら、なんだか悲しい気持ちになってしまいました。

 

なお、今回の改定ではバリューランチ(平日のランチ時間のセット)は価格変更はなしとのことです。ときどきバリューランチを食べているので、この点はありがたいです。

 

さて、今回の価格改定の理由として先のリンク先では以下のように記載しています。

昨今の小麦や牛肉をはじめとする原材料価格の高騰や人件費、物流費の上昇などを受け、

この原材料価格の高騰、特に小麦価格について見ていきたいと思います。

 

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シカゴ証券取引所の小麦価格の直近5年間の推移を見てみますと、この5年間はゆるやかに上昇傾向であったことがわかります。そこに来て2022年の2月中旬以降、急激な値上がりが発生しています。この1ヶ月でみても50%以上値上がりをしている様な状況です。
一部投機的な売買もあるかもしれませんが、根本的な背景としてあるのは、やはりロシアによるウクライナ侵攻になります。

 

農林水産省のWEBサイト(特集1 麦(2):農林水産省)によると、少し古いデータになりますが、小麦生産量の多い国の第4位がロシアで59,080千トン、8位がウクライナで24,750千トンとのことです。世界全体の生産量が725,122千トンですから、ロシアが8.1%、ウクライナが3.4%を占めています。

ロシアへの経済制裁で市場に出回らなくなる懸念がありますし、ウクライナに至っては働き手も徴兵され耕作どころではないでしょうし、仮に小麦が生産できたとしてもウクライナから船で輸出しようにも、黒海北岸がロシアによって占領されつつありますから、やはり輸出は困難を極めるかと思います。このように近い将来の供給不足が小麦の価格高騰に繋がっていると言われています。

 

マクドナルドと同様に飲食店や、食品加工系の企業は苦しいと思います。原材料価格がさらに高騰が続く中で、すでに何度も値上げをしている企業もありますが、すべてを価格転嫁することは日本では厳しいかと思います。これら業界はコロナ禍による緊急事態宣言等、外出自粛要請を受けて傷んでいる業界ですから、この状況が続く限り、かなり追い詰められてしまうのではないかと、心配になります。