SMBC日興證券の相場操縦、「ブロックオファー」とは?
SMBC日興証券の役員ら幹部4人が逮捕された事件、これがどの様なものなのかを見てみます。容疑としては金融証券取引法の相場操縦容疑での逮捕となります。
本来株式は、広く市場で売買され、需要と供給で相場価格は決まります。その株式を欲しいという注文が多ければより値段が上がりますし、手放したい注文が多ければ値段が下がります。
SMBC日興証券は、市場が閉まる直前で意図的に買い注文を入れ価格を下支えし、株価を人為的に◯◯円以下とならない様にした、という容疑ということになります。
なぜこの様なことを行ったのかといえば、「ブロックオファー」と呼ばれる取引が背景とされています。
ある大口の株主が自身の持っている株式を大量に売却したいと思っていたとします。仮にこの大量の株式を市場取引時間内で売却した場合、相場が大崩の値下がってしまいます。そうなると大幅に売却価格が下がってしまうので、できれば今の価格から妥協して数%割引して売りたいところです。ですので、仲介を行う証券会社が数%割引いて市場時間外に引受けを行い、別の買い手に転売を行うという取引を行います。これがブロックオファーと呼ばれるものです。
しかしこの売却する銘柄が、売却実行される前に株価が下がってしまえば、取引を中断になってしまうリスクがあります。ですからこのブロックオファーが成立する様、株価が下がらないように買い注文を入れていたのではないか、というのが今回の容疑です。
ただ、証券会社は通常に自ら株式の売買をしていますので、買う行為自体には問題なく、重要なのは「目的」です。黒であるという「目的」を調査していく必要があるんだと思います。
Yahoo!ニュースにも取り上げられている産経新聞の記事(組織ぐるみで買い支えか 日興証券相場操縦事件 取引量の約3割の買い注文(産経新聞) - Yahoo!ニュース)によると、
このうち機械卸売会社の株は令和2年8月6日に取引され、市場が閉じる直前の約20分間に約6万株の買い注文を出し、約3万7千株の取引が成立。買い注文は同日の市場全体で取引された20万6300株の約3割に上った。一時は1万890円に落ち込んだ株価は1万1千円が終値となった。
状況証拠的には黒に近いといえるのでしょう。今後どのように調査し、証明していくんでしょう。