まなびの『び』

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日産自動車について2つのニュース

今日取り上げるのは日産自動車ルノーの出資比率引き下げ要請とロシア撤退のニュースについて取り上げます。

ルノーへ出資比率の引き下げを申請

フランスの自動車メーカーであるルノー日産自動車の株式を43%保有しています。日産自動車は1990年代後半に巨額の負債を抱える経営難となり、これに救いの手を差し伸べたのがルノーでした。これによりルノーグループの中の日産自動車として立て直しを図り現在に至るのですが、この結果ルノーは日産の大株主となっています。反対に日産はルノーの株式を15%保有しています。

今回ニュースとなっているのは、43%の株式から15%まで引き下げることを要請しているということについてです。

そしてその背景としてあるのが、ルノーが立ち上げを故小名応としている電気自動車を生産する新子会社です。この新子会社に日産自動車が出資するというものです。ヨーロッパは急速にEV化が進んでいるため、ルノーとしてこの部門の強化を図りたいものかと思います。

日産自動車がロシア子会社を売却へ

さて続いて、日産自動車の子会社「ロシア日産自動車製造会社」の株式をロシアの「自動車・エンジン中央科学研究所」へ売却しロシアでの事業から撤退するというニュースです。その売却価格が衝撃的でなんと『1ユーロ』とのこと。

これについては、日産自動車ニュースリリースを出しています(日産自動車 ロシア市場での事業からの撤退を決定)。リリースによるとこの売却により、約1,000億円の特別損失を計上するということです。2022年3月期の最終利益が2,155億円となっていいますから、その規模の大きさがわかると思います。今年度について業績に変更はないということですが、この影響が今後どのようにでてくるのでしょうか。

市場の反応

上記2つの報道もあってか、日産自動車の株価は下落しています。

前営業日の終値461.2円から11.2円下落し450.0円で引けています。下落率は2.4%とそこそこ下落しましたが、ここ半月ほどの下落が大きいこともあり、この程度で済んだという形でしょうか。