SMBC日興證券の幹部逮捕についての続報
以前も取り上げましたが、SMBC日興証券の相場操縦の話題について、続報を見ていきましょう。
前回記事でも触れた通り、今回の事件は、SMBC日興証券がブロックオファー取引に際し、不正に株価を買い支えを行ったというものです。前回記事では幹部4人が逮捕された時点でしたが、今回幹部7人とSMBC日興証券の法人自体について起訴されるに至りました。
なお、ブロックオファー自体は違法なものではなく、ブロックオファーの対象となっている銘柄の株価が下がらないように自己取引で買い注文を入れたことがNGとなります。
今回のニュース内容で重要なことは、会社ぐるみで買い支えをしていたという事実。本来働かなければいけなかったガバナンスが、全く機能しなかったことがSMBC日興証券にとって最も責任が問われる点になろうかと思います。
日本経済新聞の記事(SMBC日興事件、なぜ会社も起訴されたか 今後の展開は: 日本経済新聞)によると、
関係者によると、問題の取引はSMBC日興社内で管理部門(売買管理部)のシステムが不審と警告し、担当者が山田被告に指摘したが、その後も是正されず、取引が継続された。山田被告は一連の取引を上司に報告していたが、会社側が買い注文を止めようとした形跡もなかったという。
としています。不審な取引を検知していながらも取引が行われ続けていたということで、牽制機能がまったく役に立っていないことになります。
また、上記参照した記事と同取引かどうかはわかりませんが、大正製薬ホールディングスの株式の買い支えについては、副社長にも事前報告があがっており、それでも了承をされているという記事(「買い支え」報告、副社長が事前了承か SMBC日興事件: 日本経済新聞)もあり、今回副社長も金融商品取引法違反の容疑で逮捕されています。
(前回記事)