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日本航空(9201)の決算発表

日本航空JALの決算を見ていきます。

 

日本航空の事業内容

日本航空といえば日本を代表する航空事業者です。上の図は2022年3月期の事業別売上高割合です。事業によりコロナ禍の影響度合いが違うと思いますので割合は参考値程度ですが。

航空運送事業では、国内線、国際線で旅客・貨物・郵便、手荷物の輸送業務を行っています。その他事業としては、旅行の企画販売、クレジットカード事業などになります。

 

日本航空の業績推移

日本航空新型コロナウイルス感染症の影響が非常に大きい事業者の一つであり、2021年3月期に急激に業績は落ち込みました。

2022年3月期は売上高は41.9%の増収し、一定回復傾向は見られるものの、2020年3月期と比べても半分程度に収まっており、まだまだ苦しい時期が続いています。利益面については、いずれも赤字が縮小しているものの、営業利益は▲234百万円、最終利益は▲177百万円のそれぞれ損失となっています。

以下、事業分野ごとに前々年期(2020年3月期比の収入比)とコメントを拾っていきます。

・国際旅客(対前々年旅客収入▲85.9%)

国際旅客事業においては、日本を含む各国での入国制限により国境を跨ぐ需要は限定されましたが、諸外国での渡航者の隔離免除やワクチン接種率の向上、社会経済活動の再開に伴い、アジア・北米間の通過需要を含めた基礎需要が徐々に回復基調に転じました。

・国内旅客(対前々年旅客収入▲55.6%)

感染者数の増加や緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置の発出、オミクロン変異株の感染拡大の影響により国内旅客需要は一進一退を繰り返してきましたが、3月21日にまん延防止等重点措置が全国で解除されて以降、回復基調に転じました。

・貨物事業(対前々年貨物郵便収入+138%)

海上物流の混乱が長期化する中、航空貨物需要は自動車関連や半導体関連部品等の北米向けの輸送を中心に引き続き好調に推移しました。

決算説明資料によると国際貨物収入は物量、単価ともに上昇したことにより、前々年比約3倍になっています。新型コロナウイルス禍からの経済再開による高い需要によって海運銘柄が好業績となっていますが、需要の高止まりによってコンテナ輸送価格の高騰している中、空運輸送に流れ込んできている様ですね。

 

今後の見通しとして、環境面を以下のように評価しています。

新型コロナウイルス感染の影響は着実に収束に向かっており、新たな変異種の発生等による感染再拡大等の不確実性は残るものの、国内外における航空旅客需要は回復に向かうものと思われます。

国内旅客の需要はコロナ前と比べ、通年で90%程度まで回復するとしており、ほぼ本格的に回復を見込んでいます。国際旅客については、第4四半期には65%程度まで回復するものの、通期では45%に留まる見込みです。

それでも旅客需要の回復により、売上高は103.6%増、最終利益も黒字転換と大幅な回復見通しとしています。

 

旅客需要がどこまで回復するか次第でしょうが、最近の政府の制限緩和に係る発言やGWの人流を見てみると、このまま続けば好転するように思えますが。